人気ブログランキング | 話題のタグを見る

the books

馳 星周 / エウスカディ 上(角川書店/ハードカバー)

おおぅ...上巻だけで500P。71年、スペインとフランス国境に
またがったバスク地方。フランコ政権からの独立を目指し武力闘争
を続ける組織"ETA"。そのETAに世界革命の理念を抱いて合流した
日本赤軍メンバーの青年「吉岡」。彼の思いとは別に、彼自身が
組織の中でのジョーカーとなりテロリストとして覚醒していく。

それから34年後、その息子で、柔道のオリンピック選手
「アイトール」が奇しくも父親がテロリストだった事を
知ってしまいその過去を追っていく...という過去、現代、
父親、息子のパートが交互に展開されて静かにストーリーは
進んでいく。そしてなによりこのバスク地方の
風景や情景が目に浮かぶような丁寧な文章に惹き込まれます

同じ過激派活動家でありながら、根本的な立脚点の
違いのバスク人と吉岡との距離。その中でも「マリア」
というバスクの女性と家庭を持ちながらも、やはり
テロリストかつ殺人者という自分とのバランスを保つ
吉岡の静か精神の破壊...。
下巻でどう馳節が爆発していくのか...楽しみです。

馳 星周 / エウスカディ 上(角川書店/ハードカバー)_e0156857_23331512.jpg




by neon_books | 2010-12-03 23:33 | 国内作家は~

private book review
by neon_books
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

最新のトラックバック

フォロー中のブログ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧