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高田 郁 / 小夜しぐれ みをつくし料理帖(ハルキ文庫/文庫)

シリーズ5作目に突入し、ますます人気と作品の濃度が
増して来ていますね。本当に人気が出て良かったなーと
思えるシリーズです。

今作は季節的にもドンピシャの春〜初夏にかけての
設定で登場する「澪」の作る料理も旬で相変わらず
実に美味しそう。この作品はその料理が活字だけでなく、
視覚も匂いも、そして温かなぬくもりまでもが
伝わってくるんですよね。日本人で良かったなぁ...と
心から思える瞬間です。

今作では、個人的に一番好きな登場人物の「つる家」の
主人、「種市」が抱える過去の最大の傷...亡き娘の
エピソードが明かされるのですが...これは涙なくしては
読めませんでした。こんな過去の苦しみを背負いながらも
気丈にも「つる家」の主人として振る舞う姿には
本当に胸打たれます。「こいつはいけねぇよぅ」の名台詞が
主人に口から出ると、こちらもほっこり、ニンマリしてしまいます。

更にもう一人の「美緒」の切ない恋愛、そして「澪」自身の
報われない恋が今作でクローズアップされ、更にこれ以降の
作品の展開が楽しみで仕方ない。

高田 郁 / 小夜しぐれ みをつくし料理帖(ハルキ文庫/文庫)_e0156857_16201162.jpg




by neon_books | 2011-05-02 16:20 | 国内作家た~

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