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桜庭 一樹 / ばらばら死体の夜(集英社/ハードカバー)

タイトルにまずしてヤラレた感のある、ハードな作品でした。
「金」...それも借金...それもスゲー現実味のある借金が
巻き起こす蟻地獄のようなズブズブ感に、男女の念と身体が
絡み合ったなかなかにシンドい作品でした。
なのに...一気読みされるのは作品のパワーと構成力の
上手さの成せる技なんでしょうねー。
正直、脳神経外科に通うハメになった程の偏頭痛持ちで
医者に「兎に角、寝なさい!」と言われてるのに...
深夜に一気読みさせられてしまいました...orz

お金の話って本当に近い人には特に言えない悩みな上に
日常生活の全てに関わってくるが故、その人間のサイクルや
人格などほぼ全般に影響を及ぼしてきますよね...。
分かりたくないけど、凄く分かる分、怖さを通り越してしまいます。
そんな「金」にゆっくりと、静かに狂わされた男女が出会い、
ズルズルとした距離で終わらずに、更に、濁った目をしながら
最悪という結末に至る描写が上手過ぎて...無駄とは思いつつ
ハッピーエンドを期待してしまう、哀れな自分がいますw。

罪を犯すことで「金」の呪縛から逃れたように見える
ラストの主人公の姿は...既に死んでいる人間のような
怖さが滲んでいて、ここに作者の黒さまでも感じてしまいます。

桜庭 一樹 / ばらばら死体の夜(集英社/ハードカバー)_e0156857_80402.jpg




by neon_books | 2011-05-26 08:00 | 国内作家さ~

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