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池井戸 潤 / 鉄の骨(講談社/ハードカバー)

以前も感じた事ですが、自分が好きな音楽は
最初の1秒ですでにカッコいい。そして自分が
好きな小説は最初の1ページから面白い。今作が
まさにそうでした。元々好きな池井戸さん作品
だからなのかもしれないけど、熱く、正しく、
面白く、泣いて、怒って...と本当に作品に気持ちが
入り込んでしまいます。ド名作「下町ロケット」の
前の作品ですが、この時点で既にあの世界は
出来上がっていたのかもしれません。

若く、そして真っ直ぐでキレ者ではない
現場にいたゼネコンマンの主人公「平太」が
現場からいきなり本社の営業への移動から
始まる、現代日本の資本構造の表と裏の
「本音の世界」の物語。池井戸作品のお仕事小説は
本当に現場感がリアルで、登場人物の心の中は
恐らく、多くの読者にとって、自分の代弁者が
いるところが魅力なんだと思います。
今作にも「平太」を始め、その談合課と揶揄される
営業課の先輩や課長、そして部長。さらには現場監督に
至るまで、ボクらの代弁者であり、理想なんだなぁーと。

537P、全く長さを感じずに高揚感と羨望を持って
一気読みでした。不思議と自分にとって、仕事で
煮詰まったり、不安になったり、疑ったりした時に
池井戸作品を読んで、頑張れていますw。
痛快すぎるラストの展開も含めて、一級のお仕事小説で
エンタメ作品です。

池井戸 潤 / 鉄の骨(講談社/ハードカバー)_e0156857_132167.jpg




by neon_books | 2012-02-17 01:32 | 国内作家あ~

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