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伊坂幸太郎 / フィッシュストーリー (新潮社/ハードカバー)

何故か自分の中で伊坂熱が再燃し、数年ぶりに再読。
01年のデビュー短編を今読んでもさほどタッチや
トーンやテンポが変わっていない! やはり最初から
スゲーんだなぁ...とつくづく思います。
4編の短編ですが、どの作品も他の作品と登場人物が
すこしづつリンクしています。これは伊坂作品の
特徴でもあり、ファンの多い所以ですね。

自分としては後半2編がやはり秀逸。映画にもなった
「フィッシュストーリー」はこの頃の伊坂作品の
真骨頂ともいえます。このボリュームで時間も
人物もエピソードも飛び越えて、一つの形に
カチリとはまる手腕はピカイチ。さらには
「フィッシュストーリー」プレイしたそのバンド名すら
記載のないところが...抜群です。(映画ではしっかり
名前がありましたがw)自分にとってはメンバーと
岡崎の関係なんて涙なくしては読めません。
岡崎の気持ちは胸が苦しく、息が出来なくなる程に
伝わります。この世に多く存在するであろう
ロック漫画やロック小説の中でも一番抉られます。

ラストの「ポテチ」もまた素晴らしい。「重力ピエロ」
にも通じながらもっともっと...なんというか自然体な
だけに余計に油断した胸を優しく揺さぶられますね。
「泉水」もそっ...と登場しますし。

自分の中で何故か再燃した伊坂熱。数々の作品が
映像化され、人気作家になり、声を大にして
好きな作家と言うのが恥ずかしくなった時期を
今更ながら恥ずかしく思います。大好きです、やっぱり。

伊坂幸太郎 / フィッシュストーリー (新潮社/ハードカバー)_e0156857_882928.jpg




by neon_books | 2013-02-03 08:08 | 国内作家あ~

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