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カテゴリ:国内作家か~( 208 )




かわぐちかいじ : 藤井哲夫 / 僕はビートルズ 1 (講談社/文庫)

MANGA OPEN大賞の新人賞受賞した原作をあの「沈黙の艦隊」で
有名なかわぐちかいじが漫画化した作品。普段コミックを読む習慣が
ない為、こんな作品があること自体知りませんでした..。

現代におけるビートルズ・コピーバンドである「FAB 4」。
本家ビートルズ同様に活動を続けるうちに、心は離れ
それぞれが求める音楽(ビートルズ)を鳴らす為に
メンバー脱退の危機を迎える事になるのですが...
ここで、不慮の事故により、ポールとジョージである
ショウとマコトがなんと昭和36年(1961年)にタイムスリップ。
...このシナリオというかアイディアを成立させるには仕方ないですね。
方法はこれしかない(笑)。
まぁ...タイムスリップものは嫌いじゃないし、むしろ好き。
多分コレは小学生の時に観た「戦国自衛隊」の影響かも。

要は...ビートルズのデビュー前の時代に来た彼等は
こともあろうに人前でビートルズの曲を自分達のオリジナルだと
偽って演奏をしてしまう。しかも確信犯的な意思を持って。
ここから一気にストーリーが展開していき、ご都合主義だろうと
なんだろうとワクワクします。まるで思春期にもし自分が◯◯だったら...
と重い描くアレですな。

こんな面白いなら一巻だけ買って失敗した。
続きが気になるー。

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by neon_books | 2014-10-27 22:05 | 国内作家か~

黒田研二 / キュート&ニート (文藝春秋/単行本)

タイトル通りの5歳の女の子と引き蘢りの30歳目前のコンビ
を描いたユーモアミステリ。ミステリ的な要素は
かなり薄めで、どちらかというと主人公ニートの
「鋭一」の遅れてきた成長期のような作品。
しかし、クロケンさん...ダメな男を書かせたら
相変わらずに上手いですw。

姉の一人娘の「リサ」の世話をすべく単身、巣を
離れ、5歳児の幼稚園児との共同生活をする事に
なったニートの「鋭一」。何をやってもまともに
出来ずに、更に動くと不運がついて回るような
ダメっぷりを、幼稚園児にフォローされるという
逆転した奇妙な暮らし。そんな中、園児達の起す
日常の謎を「鋭一」が抱え込み、それを「リサ」が
解決する...というスタイル。

そんなユーモラスな展開も後半にはシリアスだけど
人が人を思いやる...という当たり前で大切な事。
そして家族が家族を思いやる姿が、独特な形で
描かれるハートウォームな作品へと姿を変えます。
上手いですね。

気が早いですが文庫化のタイミングで
火が付きそうなタイプの作品。その後に
その時に人気の子役(芦田某みたいな)主演で
ドラマ化されそうな気配もしますw。

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by neon_books | 2013-04-12 08:26 | 国内作家か~

北山猛邦 / 猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条 (講談社/ノベルス)

探偵助手を育成すべく日本に唯一ある大学の専門学部。
その生徒である「クンクン」と教官であり探偵の「猫柳」。
今回は山に閉ざされた山村に舞い込んだ殺人予告の
脅迫状を阻止すべくクリスマス前に赴く。

この探偵「猫柳」は知名度、実績とも低い。その訳は
事件が発生する前に未然に防ぐ故、そもそも事件も
発生しなければ犯人逮捕にも至らない...という特殊な探偵。
今作もそれに乗っ取って、村に残る伝説に準えた連続殺人を
次々に未然に防ぐ...という展開。
これは、こうしてストーリーで読んでいくと予想以上に
地味な展開w。ミステリとしてはやはり高いハードルですね。
そこを回避する為に今作では北山氏独特の物理トリックを
登場させ、上手くバランスを取っていますね。

終盤の犯人との疑似対峙シーンは...ジョーカー的な
存在の登場によって「探偵」そのものは今回の事件には
関与しなかったという猫柳スタイルを貫徹。
やはり侮れないし、面白い。

さらにはクンクンと猫柳のラブコメ度もアップし、
キャラものとしても秀逸な作品にして、最終的には
地味さ回避に成功している結構...いい作品。
そしてオビのキャプコメントが秀逸。
「 頼りなげで危なっかしい 女性名探偵が謎を解く!
因習にとらわれた村で猫まっしぐら!」

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by neon_books | 2013-04-07 01:40 | 国内作家か~

近藤史恵 / ホテル・ピーベリー (双葉社/単行本)

ハワイ島のこじんまりしたホテルが舞台なのに
どんよりかつヒンヤリした空気感が漂う。
中盤までは主人公の元小学校教師が
過去の不祥事により抜け殻のまま、日常から
逃避するように訪れたハワイでの煮え切らない
暮らし振りが描かれる。
そのホテル「ピーベリー」のオーナー夫婦の
和美と出会う事になる。

中盤以降に唐突に宿泊者の1人が事故死。
ここから肌に纏わり付いていた不穏な
空気が展開していく。訳ありのオーナー夫婦、
宿泊客、そして明らかになる主人公の不祥事...etc。
あぁ...やはりミステリ作品なんだなぁと。

終盤一気にホテルで起った事件、そして
和美の抱える闇が解明されるのですが
少々駆け足なのと、作中に登場する
「夏への扉」に準えたラストは
爽やかなんですが、果たしてこれが
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか
モヤモヤした感は残る...かも。
主人公の「淳平」...こいつのモラトリアムの様な
芯のない性格...に共感しがたいからかな?

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by neon_books | 2013-03-28 00:08 | 国内作家か~

玖村まゆみ / 凸凹サバンナ(講談社/単行本)

乱歩賞受賞作家の受賞後の1作目は一風変わった
弁護士を主人公にした連作ミステリ。金がなく
お人好しが取り柄の弁護士「田中」の元に
舞い込んでくる相談を、彼持ち前の人柄で
解決していくのですが...。

前作に比べると人物造型もストーリー展開も
かなり魅力的にはなっているのですが、
まだ何かが足りないのか...いまいち主人公や
ストーリーそのものにのめり込む事が出来ない...。
キャラクタ的にはサブキャラの方がまだ興味深い。
ミステリとしても特に謎らしい提示も、それに
対する解決も、興味の湧くものでは残念ながら
自分には感じられず...。むー。
そもそもリーガルミステリではないし、かといって
人情モノとしては弱い。満遍なく無難という印象だけが
残ってしまいました。申し訳ないス。

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by neon_books | 2013-03-23 08:13 | 国内作家か~

小林泰三 / 完全・犯罪 (東京創元社/ハードカバー)

5編の短編を収めた作品。SFからミステリ風、ホラーまでと
作風を多少異なるものの、全体的に...黒いです。
そして妙にユーモラスでニヤニヤとした悪意がある分だけ
さらにザラついた感じの厭な空気が漂います。そこが
今作の良さでもあったり。

表題作はマッド・サイエンティストがタイムマシンによって
過去で殺人を犯すことで起るタイムパラドックスですが
これが個人的にはツボ。まるでドラえもんであったような
光景が繰り広げられ、ラスト1行の脱力感はハンパじゃなく
笑ってしまいます。

他4編も面白く読める作品なのですが、作者のファンから
したら若干の物足りなさもあるようで...。自分のような
ライトユーザーやこれから...の方が手に取るには
ある意味丁度いい作品のようですね。

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by neon_books | 2013-03-19 00:10 | 国内作家か~

木下半太 / 悪夢の身代金 (幻冬舎/文庫)

悪夢のシリーズの最新作...かな?
連続誘拐犯「赤鼻のルドルフ」によって
クリスマスイブに起る誘拐事件。
その身代金の受け渡しを巡っての群像劇風な
同一時間を視点を切りかえて展開される
木下作品らしい作品。

女子高生、サッカー選手、元刑事、訳ありの
眼帯サソリ革ジャン女...とそれぞれの視点で
ぞれぞれの立場で事件に関わっていく様は
二転三転以上の展開でスリリング。
いつも木下作品はスピードとテンポがいいのですが
今作は、同一時間を視点の切り替えで話しが
展開されるので、何度か、重複したシーンが
登場する為、若干のスピード感を失速してるのが
勿体ない...気がします。

いつもよりコメディ要素が少ない分
今作のラストは珍しく「いいラスト」w。
裏テーマの親子と家族...をキレイな着地で締めてます。

自分は未読なのですが「サンブンノイチ」が
タレント映画監督によって映画化されるようですね。
アララw

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by neon_books | 2013-03-13 01:47 | 国内作家か~

河合莞爾 / デッドマン (角川書店/ハードカバー)

横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。デビュー作にして
大胆にも島田荘司の「占星術殺人事件」を下地に
したような6つのバラバラ殺人を題材に、全く
別の絵を描くように、面白い作品を輩出した、
受賞も納得の快作。

頭部、胴体、両腕、両足のない6つの死体が
発見される猟奇殺人事件。持ち去られたそれぞれの
パーツはまさにアゾートを思わせる。その事件を
追う警察官の視点と、そのパーツを結合して蘇った
「死体」であるデッドマンとの視点でストーリーは
展開され、それぞれの推理によって真相が明らかに
なっていく。

真相に辿り着く経緯となったデッドマンからのメールなど
やや強引でご都合主義な部分もあるのですが、それ以上に
今作そのものの発想と、ストーリーが持つスピード感、
そして警察官達のキャラクタが優れている為、少しの
マイナスを充分カバーして余る面白さです。ラストは
もう少し余韻を残した展開が欲しかったですが...この
主人公「鏑木」を始めとした面々の再登場を望みます。

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by neon_books | 2013-03-07 17:19 | 国内作家か~

北山猛邦 / 猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社/ノベルス)

イラストとタイトルからだとコメディタッチの
キャラもののライトミステリなのかと思ってましたが
実は実験的かつ、本格ものの勝負作でした。
冒頭から、まさか孤島のクローズドサークルに
おけるガチの連続殺人になるなんて...。

基本設定は探偵助手を育てる日本唯一の
「探偵助手学部」に通う大学生のクンクンと
ゼミ講師「女探偵・猫柳十一弦」による
奇妙な形のホームズ、ワトソンミステリー。
この探偵猫柳さんのキャラと設定がまた
挑戦的で、殺人事件を未然に防ぐのを
モットーとして、咄嗟に出る台詞が
「いのちだいじに!」だったりするw。
ちなみに本人はかなり体力的にタフガイでもあるw。

さらに今作ではこの現代における
クローズドサークルの新たなシチュエーションを
提示しつつ、見立てやアリバイなど本格に
必要なアイコンをしっかり取り込んで、
今作を成立させちゃいました。面白かったー。

そしてラスト2行の猫柳さん。これはズルいw。
可愛過ぎるw。

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by neon_books | 2013-02-26 23:25 | 国内作家か~

木下半太 / 悪夢のクローゼット (幻冬舎/文庫)

人気の「悪夢の~」シリーズ。久々に読んでみました。
作者が得意としそうな閉鎖空間におけるスラップスティックな
シチューエーション劇のようなストーリー。
初期の作品に似たシチュエーションながら、確実に
展開や緩急が上手く、先の読み難い展開に一気読み。

将来がほぼ約束されている高校野球のヒーロー「虎之介」。
彼の通う高校のマドンナ女教師の部屋に呼ばれ、いざ行為の
寸前に突然の来客に遭い、クローゼットに押し込まれる。
その瞬間から、約束されていた将来が音をたてて崩れ始める。

というストーリーの中に、二転三転するドタバタな展開や
まさかの人物がまさかの場所から現れたり、そして
まさかの過去が明かされ...と目まぐるしく、スピーディー
かつサービス精神に溢れてます。かなり無理で強引な
部分もありますが...。まぁ面白いし、問題なし。
多分...木下作品の中で映像にしたら一番インパクトの
ある作品だと思います。

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by neon_books | 2013-02-20 00:01 | 国内作家か~

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