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カテゴリ:国内作家な~( 111 )




西尾維新 / 憑物語 (講談社/講談社BOX)

今作のアートワークの童女...だれだったっけ...
と思いながら読み始めるも、例によっての前半部分は
どの部分の伏線になるのかも不明でアヤシい阿良々木くんの
ハーレムパートで幕を開けます。
今作は終焉に向かうラストシリーズの幕開けとの事ですが
阿良々木くん自身に起こる怪異を巡ってのお話。
そしてようやく表紙の童女...「斧乃木余接」の登場。

今作自体がラストに向けての伏線、そしてラスボスを
示唆するような描写もありましたが、
なんとなくミスリードを誘っているような節もあり
まだまだ目が離せない展開。確実に後にもう一線交える
事になるであろう圧倒的な暴力による陰陽師「影縫余弦」
の登場などが自然に展開され、ラストへ向かうにあたって
その序章感は充分。

やはり阿良々木くんに起こってしまったトラブルは
そのまま先送りだし、今作そのもののエンディングは
あっけないものの、ラストの戦場ケ原とのほっこりシーンに
一気に持っていかれます。

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by neon_books | 2014-10-27 00:01 | 国内作家な~

西村健 / 地の底のヤマ (講談社/ハードカバー)

863P...二段組。...長かった。九州大牟田の
三池炭坑を舞台にしたある警察官の半生と
その街そのものを描いた大作。
ここまでの自分の中の西村作品を大きく
覆す作品で読み応えは勿論、ズシリとした
楔をうつ作品。

昭和35年から40年の時間を順を追って
丁寧に、主人公「鉄男」の警察官としての人生、
そして人間としての葛藤、苦悩、闇、喜び全てを
内包した人生そのものを矛盾も含んだまま、
丁寧に描いています。さらには炭坑街としての
大牟田という街の背景にある過去から現在が
大きなウネリを持って、書かれているところが
今作の重みになっているのかもしれません。

「鉄男」の刑事として関わった事件、そして
その父にして街の伝説的な刑事の死の真相。
ミステリとしても読ませる、有無を言わさぬ
力強さに溢れてます。登場人物も膨大な数ですが
ほとんど混乱せずに読ませる、配置と力量が光ります。
特に、「オッチャン」と「ヒカッしゃん」なる脇役は
西村氏ならではのキャラクターで涙を誘う。

ただ、主人公「鉄男」という人間の持つ弱さや矛盾。
逆に強さや正義感。その両方があまりに混沌と人間臭く
小説の主人公としては感情移入しくい面もあるかもです。
が....自分は充分にこの作品世界に浸りました。

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by neon_books | 2013-04-16 00:13 | 国内作家な~

西尾維新 / 恋物語 (講談社/講談社BOX)

セカンドシリーズの完結作。最初の
1ページ目からすでに騙されましたが
タイトルには偽りのない、まさかの
オッサン萌えな切ない物語。
時系列としては「囮~」の続編で
撫子が壊れてしまい、阿良々木くんと
ひたぎを卒業式に殺す...と嬉々として
予告した後のストーリー。

ちょいちょい登場していた詐欺師「貝木」
に恋人である阿良々木を救って欲しいと依頼をする
戦場ケ原。その依頼を結果...理屈をこねくり回して
受けてしまう貝木の余りにも切なく、真面目過ぎる
悲哀っぷりが...もぅ、読んでられない。冷静で
冷徹キャラが完全崩壊し、終始ポカをしでかすなんざ
貝木の心情を思うと切な過ぎです。ラストに少しだけ
登場する阿良々木くんと比べると今回の男っぷりは、完全に
貝木に軍配ですね。

ラスボスだと思っていた撫子の件がまさかの
こんな形で集束するなんて...少しだけがっかり。
もっと凄絶で壊れたバッドエンドを期待していたんですがw。
と、なると...ラスボスの正体は...あの人ですかねー?

残り3作のラストシリーズに期待大です。

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by neon_books | 2013-04-10 07:18 | 国内作家な~

似鳥鶏 / 戦力外捜査官 姫デカ・海月千波 (河出書房新社/単行本)

ここまでの似鳥さんの作品とは少し作風が
異なっており、作者風の警察小説...といった
趣きです。ただし、キャラ要素が強いので
警察小説ファンは見向きもしない...でしょうけど。

7年前に起った幼女殺人事件と現在起っている
連続放火事件が少しづつ接点を持つように書かれつつ
その真相に一見女子高生にしか見えないキャリア警部
「海月」と「設楽」のコンビ「戦力外」チームが
独自の捜査で迫っていく...。

装丁からは予想しなかった、作中には意外と重い
冤罪や誤認逮捕、警察機構の弊害...etcが作者独特の
タッチで書かれていて、事件の真相とともに
「戦力外」チームそのものの意図も明らかになり
ドジっ娘キャラの「海月」の警察キャリアとしての
立ち位置が明かされ、今度もシリーズ化の予感です。
だとすれば今作は各人物達のキャラ付けと紹介的な
意味合いが強かった...かなと。

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by neon_books | 2013-03-31 00:12 | 国内作家な~

西澤保彦 / 聯愁殺 (中央公論新社/文庫)

オリジナルは02年にミステリー・リーグとして
発売された作品。西澤さんといえばロジック
大好きなイメージですが、今作はきっと
その真骨頂でしょうね。

連続殺人事件の被害者となった主人公「梢絵」は
すんでのところで命が助かる。しかしその
犯人と目される人間はその後4年以上も消息不明。
梢絵は何故、自分が殺人犯に狙われる事になったのか...
その動機を解明すべく「恋謎会」なるミステリ知識人達
の集まりに参加をする...。という内容。

作品は11章から構成されていますが、
2~9章までが、胡散臭いミステリ好きに
よる推理大会。スクラップ&ビルドによる
クッチャクチャな推理大会。シリアスな
事件なのにギャグスレスレの展開です。

ラストにここまで展開されていた所謂
「解決編」が単純な解決編ではなく、実は
「問題編」としての役割がされていて、
今作の最重要の「何故?」という動機が
浮き彫りになった時点で、一気にストーリーは
様変わりし、戦慄のラストへと変貌を遂げます。
やはり作者の真骨頂的、ウルトラCの作品。

ちなみに登場人物が軒並み変名、珍名ですが
実は意味が大きくあります。推理合戦の中で
ある方がそれに触れていますよ...ね?

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by neon_books | 2013-03-24 00:02 | 国内作家な~

長沢樹 / 夏服パースペクティヴ (角川書店/ハードカバー)

作者自身2作目にして前作の続編。設定自体は
探偵役の「樋口真由」が高校1年生の時なので
前作から遡った事件になるんですね。学校も違うし。

名門女子高校の映研部と同学園に在籍する
アングラポップユニットのビデオ制作に
同校を卒業した新進気鋭の映像作家が一枚噛み
音楽映像制作の夏合宿が開始される。そこで
起る現実とシナリオと虚構の数々。
過去に起った少女監禁殺人事件とのリンク...。
フェイクとリアルが混じった状況下で凄惨な
事件が勃発...。

正直...長いw。全体の2/3辺りでようやく事件が
発生し、ようやく虚実混じった世界がクリアに
なっていく。まるでそこまでが茶番だったかのような
展開で後半と前半のギャップに少々戸惑います。
さらにはキーパーソンとなる人物のそもそもの
動機付けが異様な環境に対して薄い印象なのと、
事件に関連する人物があまりにご都合主義的に
揃っている...という根っこの部分が余りに安易な
気もします。
作品の細かい部分はかなり面白いのですが根幹が
あまりに現実離れしていて...基本的には面白い
作品なのに勿体ない。

作中で登場する音楽ユニット「HAL Project」が
使用するシンセ群に一番テンションがあがりましたw。
女子高生がProhet5使うなんて...ズルい。

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by neon_books | 2013-03-16 00:07 | 国内作家な~

西尾維新 / 鬼物語 (講談社/講談社BOX)

時系列的には「傾物語 」の後に来るストーリー。
前半は八九寺ちゃんと阿良々木くんとのいつもの
掛け合い漫才が続きます。いつもながらの安定した
コンビネーションながら...なにかが足りない...。
そんな中、突如として唐突に「くらやみ」としか
いいようのない黒い空間が2人を襲う。

ここからは変わって「忍野忍」のパートに移行され、
その「くらやみ」の正体と「忍」の400年前の過去。
まだキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード
として怪異の中の怪異として君臨していた回想シーン。
彼女の今に通じる憎めないキャラは当時から実は
さほど変わりないんですね。

回想をブチ壊すように再度「くらやみ」の
襲撃を受ける事になるも、その真相と
正体は意外な人物から語られ、なんとも
言えないラストへと繋がっていく...。

鬼の物語でありながら、蝸牛のお話。

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by neon_books | 2013-03-12 08:50 | 国内作家な~

長沢樹 / 消失グラデーション (角川書店/ハードカバー)

第31回横溝正史ミステリ大賞受賞作。高校を
舞台にした学園ミステリ。かなり熱をもって
バスケを題材とした高校生の部活を巡る
ミステリです。

作品全体になにか違和感を感じていたんですが
その違和感は終盤に明らかになるのですが
もう、書きようがない程ネタバレになって
しまいそうなので、感想が難しいw。
主人公とその探偵役、そして事件の中心となる
モデルもこなす天才バスケプレイヤー...etc
登場人物の多くが、ネタバレに関する重要な
ポイントに絡んでいて、さすがにこんな
学校はないでしょw?と思ってしまいます。
一瞬コレってバカミス!?? と思ってしまったw。

事件としてはその天才バスケプレイヤーが
チーム内で孤立していく事でリスカを繰り返すなど
精神的に追い込まれていく。その彼女が学校の
屋上から転落するも、落ちた筈の彼女の姿が
こつ然と消失していた... 。という謎を
主人公の「コウ」と放送部員の「樋口」が
追っていく...。
この「樋口」のキャラは秀逸です。
あまりに探偵として出来過ぎなのが気になりますが
よく出来たキャラです。次作にも探偵として
登場するようのでそちらも手を出す予定。

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by neon_books | 2013-02-10 23:53 | 国内作家な~

西尾維新 / 囮物語 (講談社/講談社BOX)

萌キャラ(?)千石撫子主役のストーリーですが
キャラ...完全破壊しつくしたドSの巻。
再び「蛇」と相対する事になった撫子の
本質が最悪な形で露になり、作品全体を
使ってジワジワと少女が壊れていく様が
なんとも...痛々しい。

中学生女子ならではの悩み。それは
自我だったり人間関係だったり、恋愛
だったり...そういった事を基本的に避けて、
後回しに生きてきた彼女の反動が「怪異」
とともに最悪最凶となってしまう。
以前の伏線のあったラスボス発言は
ここにリンクしてるんですかね??

更にはこの投げっぱなしの様な
ラストシーン。ただのキャラ小説とは
やはり完全に次元違う...よね。
ゾクリとします。

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by neon_books | 2013-02-02 17:10 | 国内作家な~

七尾与史 / ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件 (幻冬舎/単行本)

あ。うぅぅん...。みたいなビミョーな印象。
以前に読んだでデビュー2作と比べると
余計な茶々も少なくてすっきり読み易いし
キャラクターもまぁ、分かり易いのですが
いかんせん、ミステリとして読んでしまうと
かなり消化不良感が。

タイトル通りに、バタフライエフェクトのような
連鎖放火殺人が起こりその被害者は10人。
その真相に辿り着くんですが、犯人側が殺人の
ターゲットを探し出した事自体が不自然すぎる。
百歩譲ってキャラ小説だとしても、やはり
刑事が主人公とあれば、この点は痛いような...w。
女性主人公「黒井マヤ」の設定もドSという
キャッチだと少し噛み合ない気もするんですよね。

以外と多作な方のようなので、様子見つつ
他のシリーズにも挑戦しようと思います。

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by neon_books | 2013-01-27 19:18 | 国内作家な~

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