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深見 真 / 猟犬(講談社/ハードカバー)

こういうB級臭さのアクションものは実は結構好き。
今野敏とか一時期アホみたいに追っかけてたしなー。
もう分かりやすいってのがいいですねー。アクションものに於いて
定番とも言える美形の凄腕女性刑事。曰く、「事件に愛される刑事」
なんて...ベタでいいです。褒めてます。

アクションに劣らないスケールの大きな事件に発展していく
中盤からのスピード感はサクサクと気持ちよく読めますし、
無意味に登場人物も増えずに、相関性が非常にシンプル。
あとは適度はお色気シーンがあれば...と思っていると、しっかり
あるし(笑)。ただしちょっと違う角度のお色気でしたが(笑)。

警察もののエンターテイメントとしての安定感は充分。
それ以外なものを求めると微妙な作品ですが...。

気の所為でしょうか...紙の厚みがやや厚手で、ページ数の
割にはやけに本自体が重たかったんですが...腕がダルい。

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by neon_books | 2009-10-29 11:31 | 国内作家は~

宮ノ川 顕 / 化身(角川書店/ハードカバー)

ホラー小説大賞受賞作。
高橋克彦氏の絶賛コメントに偽りはなかったです。
凄い作品でした。本当に凄い作品でした。

ホラーというジャンルには収まっていないように
思います。兎に角異端な展開、構想に脳みそが
痺れるような感覚に陥ります。
活字表現の武器であるイマジネーションをフル活用
してこそ、恐怖...というか厭な怖さがジワジワと襲ってきます。
グチャグチャのスプラッタ系は以外と平気なんですが
この作品は読み終えて、余韻に浸った瞬間が一番怖いです。
本当に怖かった...。
恐怖とともにこの作品の持つ明らかに異能のオーラの毒気に
あてられて、落ち着かなかったです。

表題作を含め中篇3編が収められていますが、この
表題作の突出っぷりが尋常で無いため、他2作の印象も
飛んでしまいそうです。
この化身という作品が世に出て、今後どんな狂った作品を
書いていくのか...メチャクチャ楽しみな作家さんです。

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by neon_books | 2009-10-28 11:20 | 国内作家ま~

相沢 沙呼 / 午前零時のサンドリヨン(東京創元社/ハードカバー)

鮎川哲也賞受賞作。
マジックとミステリの組み合わせは先人の泡坂氏を思い出しますが
今作はマジック色は濃くなく、作品の一つのテイストとして使われています。
どちらかというと、ガーリーな青春小説、恋愛小説といった要素が
強いように思います。

こういった要素自体は他の作品でも読む事が多いですが、ガールズテイスト
が強いためか、イマイチ馴染めなかったです。少女たちの友情や、その
人間関係、そして抱える悩みや苦悩...に共感できないってのもあるんですが
そもそも、なんか薄っぺらいなーという書かれ方が気になります。
語り手である「ボク」の草食っぷりや、主人公の酉野さんの語る夢...に
現代の高校生は共感するのかしら...?

米澤さんの小市民シリーズなどと比べると、圧倒的に「何か」が違う事を
感じてしまいます。

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by neon_books | 2009-10-28 11:19 | 国内作家あ~

門井 慶喜 / パラドックス実践 雄弁学園の教師たち(講談社/単行本)

なんだか不思議な作品でしたねー。雄弁学園という特殊な学校に於いての
教師たちが困惑しつつ、生徒たちに対峙するって構図は学園ものですが
あまり一般的な学園ものとしての要素は...薄いです。

この雄弁学園ってのがクセもので、生徒たちは正直...鬱陶しい(笑)。
もし自分の職場のこの学園卒業生がいたら...絶対にイヤだ(笑)。
哲学なのと論理的な思考なのかよく分からないんですが、言葉を
使っての捻くれた解釈、論理展開を繰り広げているだけのように感じます。
言葉を使ってのレトリック...つまり難しく展開してウヤムヤっていう印象を
残してしまう...こんな学校に入った普通の先生はタマらないでしょうねー。

短編連作集で、その言葉を使ったギリギリのウヤムヤさと、ストーリーを
完結させようとしての精度の妥協点スレっスレで読み物として
楽しくは読めました。

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by neon_books | 2009-10-27 11:09 | 国内作家か~

樋口 明雄 / 武装酒場(ハルキ文庫/文庫)

大好きな樋口作品の中でも異色のウルトラ・スラップスティック・コメディ。
やりすぎもここまでくると素晴らしい!! バカバカしすぎます。
活字で声を出して笑うなんてあまりないんですが、今作は堪えきれずに
バスの中で完全に一人、アヤしい人になって読んでました。

壮絶かつ凄絶なこの酒場はタイトルに嘘偽りなしの、まさに
「武装酒場」(笑)。登場人物の酔い方は尋常ではないです。
冒頭でいかにもの雰囲気で前振りした「阿佐ヶ谷三大奇人」の
登場の仕方も、笑いのツボを心得た素晴らしいシチュエーション。
この場面3回読んで、3回とも笑った。

こういうドB級なコメディでも樋口さんの良さが出まくってますね。
ラストのホロリとさせる酔いどれ達の素敵な計らいも最高。

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by neon_books | 2009-10-26 13:53 | 国内作家は~

西條 奈加 / 烏金(光文社/単行本)

烏金って言えば今ではあまりいいイメージのない金貸しの
方法ですがこの時代には、さほどでもなく、一つの救済の
方法でもあったんですね。
そんな金貸しのお話しですが、これは確かに面白いです。
時代小説とは思えないほど、すんなりストーリーが頭の中で
絵になり、スイスイと読めますね。

主人公の金貸しの意図はナニワ金融道の灰原の考え方と
似ており、どちらかというと投資、ベンチャーの類なんでしょうね。
そこには単純な利益のみでなく、人間に投資するという考え方
に人情モノとしての面白さで惹きつけてくれます。

やっぱりこういう人情モノは大好き。主人公と金貸しのゴウツク婆との
やりとり、そしてその人間関係...後半の展開に思わず涙...。
...よい作品です。

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by neon_books | 2009-10-26 12:22 | 国内作家さ~

舞城 王太郎 / 熊の場所(講談社/ハードカバー)

それこそ彼のデビュー頃に一度だけ読んだことがあったのですが
それ以降、全く手を付けてなかった舞城作品。

きっかけはHOSOMEというバンドのインタビューで影響を受けた
ものの中に舞城氏の名があがったこと。
確かにバンド同様、いわゆる00世代(ゼロ世代)。その手法も
カットアップのような独特の手法は、異質感と同様に、勢いと
光速のスピード感を体感できます。

この短編集もかなり面白く読めました。もっとミステリータッチな
作品なのかと思ってましたが、どっちかというと文芸風な作品で
意表をつかれました。

10年前に読んだときより、この文章が今の方が苦でなく読めるってのは
自分としても意外な発見であると共に、まだ、大丈夫なんだ...という
安堵感でもあります。

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by neon_books | 2009-10-26 12:07 | 国内作家ま~

遠藤 武文 / プリズン・トリック(講談社/ハードカバー)

乱歩賞受賞作。オビには東野圭吾の「乱歩賞史上最高の
トリックだ」のコメント。煽りっぷりと書店での展開はかなり大きく
出版社側の力の入れ方は凄い!!

逆にそこまで煽られると醒めるし、期待度もグッと低くなるから
不思議だw。だからというわけではないですが、さほどイラっと
することなく、サラサラ読めてしまった。
でも、その史上最高のトリックもストーリーも結末も全てが
「あ...うん..。」的な印象。

視点をどこに置いて感情移入して読むのか分かりにくいし
警察の捜査にも疑問点が多くて、なんだかスッキリはしない。
前回作品に比べたら好みではありますけど。

何より冒頭の著者の写真1Pでひいたっつーのw。
他にいい写真なかったのかー??

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by neon_books | 2009-10-23 13:29 | 国内作家あ~

道尾 秀介 / 花と流れ星(幻冬舎/ハードカバー)

作家、道尾と真備のコンビによる
シリーズ短編集だったんだねー。
どのストーリーも哀しみが刺さってきますが、
刺して抉るような痛みだけではなく、
その痛みを避けるような結末や真備の気使いや
優しさがジワっと効きますね。

黒くない道尾作品も好きな自分には嬉しく、
素敵な短編集でした。道尾が(結果的に)探偵役を
果たした、ホンワカなテイストの「オディ&デコ」
がお気に入り!

そういえばこのシリーズ...「骸の爪」を未読なのを
思い出した...。新作も楽しみだし、
まだまだ道尾作品の楽しみは続きそうだ。

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by neon_books | 2009-10-23 10:55 | 国内作家ま~

日明 恩 / ロード&ゴー(双葉社/ハードカバー)

久しぶりの日明さんの新作!待ち望んでましたー。
その期待感を裏切らない、日明節全開の熱い作品。
素敵です。好きです。

鎮火報シリーズに近い作品で前述が消防隊だったのに対し
今回は救急隊員にスポットを浴びせています。
救急患者の受け入れ問題などニュースで見たりしますが、
今作を読んでからだとその認識も大きく変わります。
こういったあたりを作品の中に自然と、そして現実的な問題として
僕らに提起してくれるのが日明作品のしっかりしたところだと思います。
当然、その分好き嫌いは別れそうですが...。

グッと喉の奥が詰まって鼻の奥がツンとするような
シーンが何箇所もあって本当に電車内で泣く寸前でした。
素敵です。好きです。

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by neon_books | 2009-10-22 14:03 | 国内作家た~

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