the books

<   2010年 02月 ( 28 )   > この月の画像一覧




梶尾 真治 / ボクハ・ココニ・イマス 消失刑(光文社/ハードカバー)

既に人気作家さんとしての地位を確立されているんですね。
し、知らなかったです...。
この消失刑の基本的な部分は過去多くの人は形にして
発表したり、それこそ個人レベルの空想では誰もが一度は
想像した事ですよね。それを刑として空想した事は
一度もなかったので、そういった怖さはドラえもんで
言うところの「独裁者スイッチ」に似た恐怖を感じます。

設定が強引過ぎて不自然な部分が多過ぎる為、ファンタジー
のような小説として読み進めましたが、それでも設定と舞台の
生々しさが邪魔をして折り合いをつけるのが難しかった...。
主人公を突き動かす生への執着が別の目的に変わってから
物語りの色も空気も一変。個人的にはそこから先の展開には
気持ちがついて行けずに...惰性で文字を追う羽目に...。むー。

e0156857_234437.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-28 23:04 | 国内作家か~

入間 人間 / 探偵・花咲太郎は覆さない(アスキー・メディアワークス/文庫)

探偵、花咲太郎の第2弾。特にストーリーが
広がる事もなかったけれど、ロリコン太郎くんと
お姫様トウキとの出会いが描かれています。
それでいいのか? という程あっけなく彼等の
生活が始まるところはなんとも入間作品っぽい。

前作でも太郎くん以上のキャラで主人公を喰った
殺し屋さんの木曽川氏とのデレデレな掛け合い漫才
のみで引っ張る第1章。一見ミステリのような
伏線や要素を匂わすけど、なんら責任を取らない
探偵小説の第2章など、バラエティな今作です。

この作品でも描かれる、愛情は相変わらず歪み、
偏愛ですが哀しい事に真っ直ぐなのだねぇ。

e0156857_322021.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-28 03:02 | 国内作家あ~

高田 郁 / 花散らしの雨 みをつくし料理帖(ハルキ文庫/文庫)

読むのを楽しみにとっておいた一冊。
料理人澪シリーズの第2弾。期待通りの内容で
心の芯からジンっと温かくなる。
澪の大切な友人の野江との姿の見えない対面シーン
の描写などは本当に美しく、感動的に書かれており
こういった奥ゆかしい表現を(感覚として)理解する事が
出来る日本人で良かったなぁ...などと思ったりする。

それは今作中に登場する料理も同様で、お腹を
満たすだけではない料理の数々を本当に「美味そう!」
と感じられる日本人はやはり心が豊なんだと思う。

澪の恋心の行方や野江との友情...様々な想いを抱え
彼女はひたむきに身を尽くし料理を作る。そんな
第3作目のそろそろ登場! 本当に待ち遠しい!

e0156857_1743492.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-27 17:43 | 国内作家た~

蝦蟇倉市事件2 (東京創元社/単行本)

連作シリーズ2作目。参加メンバーは秋月涼介、北山猛邦、越谷オサム、
桜坂洋、村崎友、米沢穂信の6名。
1巻目と比べると作品の内容というか傾向が今作の方が強く、作品トータルで
言うと2巻目の方が個人的には好みで、面白くよめました。

が、真知博士が全編通しふんだんに登場したり、それぞれの話しが
微妙にリンクしたりとするんですが、左程密接でもなく、なんとなく
中途半端な気もしてしまいます。この2巻目でその大掛かりな仕掛けが
露にになるのかなーなんて期待してただけに、その辺りの企画意図の
ややボケた感じの残念感は否めない...かなー。

とは言え、作品単体としては面白いものが多く、集中して読めます。
どうせならもっとシリーズ化していくと面白いことになりそうなんだけどなー。

e0156857_17153314.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-25 17:15 | 国内作家その他

有間 カオル / 太陽のあくび(アスキー・メディアワークス/文庫)

真っ直ぐで正しい小説なのだと思います。
登場する高校生達に「負けるな!頑張れ!』って
応援したくなるような清々しい青春モノなんだと思います。
否定するところ...ないですよね。

ないんですけど...この物足りなさってなんでしょう?
ひたすら予定調和に向かって進んでいく展開と
ストーリーは水戸黄門やアンパンマンのように
安心しきって読んでしまう事に引っかかりを感じて
しまう。そんな自分がダメなんでしょうけど...。

でもテーマも人物達も羨ましいくらいに活き活きと
書かれており、迷いがなく真っ直ぐに伝える熱は
好感以上のものを感じます。

e0156857_9332846.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-25 09:33 | 国内作家あ~

小路 幸也 / マイ・ブルー・ヘブン(集英社/ハードカバー)

東京バンドワゴンシリーズの番外編。個人的には番外編とか
スピンオフとかって好みではないんですが、読み始めたら
止まらない、止まらない。
シリーズからしたら初の長編というスタンスだったし、何よりも
今までは幽霊としての登場だったサチおばぁちゃんが実体を
伴って登場する事にアガります!
若かりし頃の勘一とのロマンスやジョーさんのカッコよさ、全ての
登場人物が素敵で優しく、キラキラしています。
後半のサチさんに対するみんなの想い、行動...涙なくしては
読めないです。というか...ボロボロ泣いてもうた。

出来たら全シリーズを読んだ上で今作を読んだ方が
思い入れが違う分だけ涙の量が違うと思います!

e0156857_16485491.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-24 16:49 | 国内作家さ~

津原 泰水 / ブラバン(新潮社/文庫)

「音楽の時代だった。あらゆる音楽が今より高価で、
気高く、目映かった。」
この一文の持つ意味と真実。1ミリも間違ってない。

吹奏楽部を主題にしたロック小説なんだと思う。
そして、主人公のボクであるライくんとはきっと趣味が合う。
冒頭からE・コステロの名前が挙り、後半にはその嗜好は
XTCやSQUEEZE,CHEAP TRICK,The CARSといった引用が
される。間違いなくロック。しかもそうそう出会う事のない
正しいロック小説。

高校時代のかけがえのない時間、そしてうだつの上がらない
日々鬱屈としてキラキラしたものを殆ど無くしてきた40代に
なった今...。そんな過去と現在を交互に展開される今作は
読んでいて本当に胸が苦しくなる。年を重ねる事で得る事と
失う事のバランスの悪さを哀しい事に痛感する。しかしその
事実を飲み込んで行かなければいけないんだな。
その為にも自分にとって、まだ音楽...ロックは必要なんだ。

音楽業界は腐りきって死んだ。死に続ける。
でもロックはなきゃいけない。

e0156857_9313237.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-23 09:33 | 国内作家た~

永嶋 恵美 / W - 二つの夏(講談社/ハードカバー)

前に読んだ「転落」に比べたら悪意と黒さが
抜け落ちた感はありますが、文章的にも
展開的にもスッキリしたような気が。
各章の頭で展開されるクニコのパートと
本筋であるナナミのパートが読者の混乱を来す
一歩手前で展開され、最後にキッチリと重なり
収集される様はやはり気持ちいい。

気持ちいいんだけど...その仕掛け自体は
さほど驚きはなく、むしろ予想の範疇で
謎と不安...的なオビ煽りほどのインパクトは
なかった...かな。ナナミのとった行動も正直
「んなアホな!」って気もするし...。蛇足だったのでは?
...と敢えて贅沢を言ってみる。

e0156857_13161989.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-22 13:16 | 国内作家な~

石川 佑 / 偽りの人々(講談社/単行本)

今まで自分が読んだBirthシリーズの中では
しっかりした文章とテーマの作品ではあったのですが
いかんせん深みがない...重たいテーマを逃げる事なく
書いているのに後半が駆け足過ぎて正直代無しに
なってしまった感が否めない...。
主人公が立ち直った(?)きっかけも安易だし、その
主人公の周囲の人間の心情描写も最初から決まって
いたかのような結果に急いで辿り着いたバタバタが
しっくり来なかった...ス。

テーマや導入部分は面白いし、人間のイヤーな部分を
上手く書いてあるし、読んでいて痛くなるような
真実味を伴っていて、もっとじっくりと腰を据えて
書いていたら横溝正史賞あたりも狙えたのでは?
...と思うと尚の事勿体ないー。

e0156857_8325920.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-22 08:33 | 国内作家あ~

気分は名探偵 犯人当てアンソロジー(徳間書店/単行本)

有栖川有栖、貫井徳郎、麻耶雄嵩、霧舎巧
我孫子武丸、法月綸太郎の6人による犯人探しを
主題においた企画アンソロジー。もともとは
夕刊フジにて連載されていたというのも珍しい。
犯人当てがメインの為出題と解答に分かれてパート構成
されています。この単行本化の際には、実際の解答の
応募のあった中から、その解答率も掲載されています。
一番高い解答率が法月氏で28%。低かったのが麻耶氏で
...1%(笑)。

この作家陣からしたら当然ですが一つ一つの短編として
読んで充分面白いし、犯人当てというパズル要素を楽しむ
為のストーリーだから逆に安心して読めますね。
こういった趣向は企画は簡単だけど作品的には難しく
なりそうですが、良く出来てる...と思います!

凄くに久しぶりに綸太郎探偵に出会って感慨深い。

e0156857_1825380.jpg

[PR]



by neon_books | 2010-02-21 18:25 | 国内作家その他

private book review
by neon_books
プロフィールを見る
画像一覧

最新のトラックバック

フォロー中のブログ

ファン

ブログジャンル

画像一覧