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近藤 史恵 / エデン(新潮社/ハードカバー)

何度も言ってますが間違いなく名作だった「サクリファイス」
の続編。今回はロードレースの最高峰、ツール・ド・フランスが
舞台になってます。そこに日本人レーサーである白石が挑戦するって
だけでテンションは上がりますねー。当然BGMはクラフトワークの
ツール・ド・フランス!!

短編集のSTORY SELLERで書かれていたものとは別物で完全な
長編なのが嬉しい。日本人であるチカの己を知った上での葛藤と
その走り。それを受けてのチームメイトのミッコとの男の交流。
そして新鋭のフランス人レーサーのニコラ。この3人を中心とした
レース展開と人間ドラマはリアリティを感じさせ、レースの行方にも
ハラハラしながらまさにレースのスピード感を持って一気読み。
ググっと熱くさせるテンションは前作の方がやはり上ながらも、
今作も違った魅力に溢れた快心作。もはやこのシリーズは鉄板か!?

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by neon_books | 2010-03-30 04:32 | 国内作家か~

矢野 龍王 / 箱の中の天国と地獄(講談社/ノベルス)

昔にデビュー作の「極限推理コロシアム」を読んだ記憶が
...あるような...ないようなw。
シチューエーションものでパズル要素盛りだくさんです。
そりゃもうゲーム感覚でバンバン人が亡くなっていきます。
颯爽と訳ありっぽく登場して...たった数ページでもう
お亡くなりになる方もw。結構斬新。
余りにもあっけなさ過ぎて読みながら、まだ後半に
絶対登場すんだろ? 出てくるんだろ? なんて疑心暗鬼で
読み続ける事に...。いや、まぁ...いいんですが。

ゲームの法則やルール自体が作者の作ったルールなので
馴れるまでには違和感を感じますが、こういった作品は
その土俵に上がって行かないと楽しめないので、色んな
部分に目を瞑って読んで行くとそこそこその
パズルゲームは楽しめます。

ただ突っ込みどころは多く、隔離され社会と閉鎖された
施設内で育った主人公達が何故そんなもの持ってるの?
とか...若干の???は残りますが...w。

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by neon_books | 2010-03-28 22:24 | 国内作家や~

伊坂 幸太郎 / オー! ファーザー(新潮社/単行本)

「ゴールデンスランバー」以前の作品なんですね。
恐らく多くの方が「伊坂幸太郎」という作家に求めて
いる部分の大多数が詰まっている優れた作品だと思います。
自分にとっても掛け値なしに全ページが面白かったです。
エンターテイメント小説としては完璧かもです。
いや、ホント、厭味でもなんでもなくw。

軽妙かつニンマリの会話、散りばめた伏線とその
一気に回収する痛快な爽快感、スピード感、キャラ造形
伊坂作品の上手さ、面白さの肝が詰まってます。
詰まっているのにもたれずに食傷気味にならない味付けの
バランスも流石っす。あれ。ここはサラっと流すんだw
みたいなさじ加減。いいなー。


その「ゴールデンスランバー」以降、特に近々の2作品の
評価の落ちっぷりが(個人的には全く評価は下がってませんが。
むしろ『SOSの猿』はかなり好き!)囁かれ始める中で
今作が発売された事に...他意はないと思いたいですね。

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by neon_books | 2010-03-26 09:29 | 国内作家あ~

西尾 維新 / きみとぼくの壊れた世界(講談社/ノベルス)

自分の中では手を出してはいけなかった作家...西尾維新。
家に職場に積みあがった未読の山...これをこなさずしては
手を出すまい...と決めてたのに...。決めてたんだよぉ。
だって作品数がまず多いし、そのほとんどがシリーズもの
っていう状況は結構シンドいよね。
今作が面白くなかったらよかったんですが...残念ながら...
面白いですねー。これで続編も読むことが義務化。

超謎だらけの天才、社会不適合少女「病院坂黒猫」の
くちを借りて様々なことを語りまくり、しゃべりまくりの
言葉の速射砲に圧倒。ただしゃべるのみならず、その軸は
ブレずに言いたい事は伝わるってのはなかなか凄い。
作家としての能力って事ですよねー?

さらにミステリ的にストーリーも展開させつつ、その動機面も
意表を突く動機を用意しておくなんざ、周到ですねー。

西尾維新というイヤーな感じの沼にまんまと引きずり込まれました。

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by neon_books | 2010-03-25 22:01 | 国内作家な~

誉田 哲也 / 主よ、永遠の休息を(実業之日本社/ハードカバー)

やっぱり上手いよね。冒頭から一気にストーリー展開に
持っていかれます。ダラってするとこもないし、結末を
知りたくて手が止まらないことは確かです。
...ただなんとなく哀しい結末に向かって秒読みされて
いる雰囲気がつきまといます...。

で、うーん...段々ここ最近の誉田作品と自分の好みに
ズレを感じ始めています。今作もそのズレを更に
明確にしたような(あくまでも個人的にですが)
後味の悪い作品。なんとなく途中から
いやーな感じがしたんですが、正直この結末は
ツラい...。そもそも、プロット自体が結構キツいなぁ。
同じ重たくなってしまっても道尾さんの方が
も少し救いがあるような展開にしてくれるような気が
するんですよねー。

そろそろ武士道〜路線のスカっとする「明」の
方の誉田作品読みたいよー。

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by neon_books | 2010-03-24 09:10 | 国内作家は~

イアン・サンソム / 移動図書館貸出記録1 蔵書まるごと消失事件(東京創元社/文庫)

図書館、数々の本、ミステリ、そしてアイルランドが舞台! これだけで個人的な
好奇心は鷲掴みされ、読むことが義務付けられていた様な作品。
とは言え、海外もの...恐る恐るで捲った1ページ目...から既に面白い!!
なんだこりゃ? なんで苦手な海外ものがこんなに読み易いんだ??
珍しく一気読み。しかも個人的には鬱寸前の泥沼な精神状態からの
現実逃避の日々だっつーのに...。逃避の手段としての読書は間違ってるかも
ですが、本当に楽しく、イヤな気分も忘れ(かけた)た。

主人公のイスラエル・アームストロング君のギャグの様な悲運っぷりから
スタートした今作は、図書館丸々分の蔵書、1万5千冊が消失するという謎を
中心にアイルランドの片田舎の市民の交流とイスラエルくんの健闘っぷりを
あったかく描いています。
ラストの展開もベタでナニがアカンねん的な浪速節でほっこり大円団。
うーん。いいなー。

夏に刊行予定の第2弾がスゲー楽しみ!

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by neon_books | 2010-03-23 19:21 | 海外作家

五十嵐 貴久 / リミット(祥伝社/ハードカバー)

どーせ寝れないからっつーんで読み始めたんですが
結果...正解。タイムリミットものなので、
読み終えるきっかけが全くなかった(笑)。
朝を迎えますた。

という事と内容から目が離せなかったという事
とは別だったりして...(笑)。

事件的なクローズアップやミステリ的な展開と
いうよりも現代に於いて、ラジオというニッチな
メディアに(作中でもまさにそういう表現してますが)
対するスタッフやリスナーの想いを描いたドラマって
いう感じですね。そう言えば最初の作品は
テレビ局が舞台だったですよねー。ドラマや
映画の原作をイメージしたような男達の熱い闘い。

それにしても作中のパーソナリティーの
芸人「奥田」のイメージはアノ人にしか思えないのは
流石にいかがなものかと...。根本的にさめるわー。

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by neon_books | 2010-03-23 06:22 | 国内作家あ~

下川 博 / 弩(小学館/ハードカバー)

南北朝時代の実在したらしい因幡の百姓村の物語。
主人公である吾輔が素晴らしい。何か突出した優れた
能力がるでもなく、人望を得るでもなく、ただの百姓
あがりの商人であるという自覚。そして男としての
プライドも持ちながら、クヨクヨ悩みながらも、
人の意見に耳を傾け、考えて行動出来る...という才覚。
現代のこの面倒で死にたくなるような人間関係を保たないと
生きていけない社会の中でも凄く重要な才能なのだと。

こういった男が苦悩し、葛藤しながらも少しづつ理想を
描き進んでいく様は憧れてしまう。今作には超人的に強いもの、
優し過ぎる人...の登場はない。ヒーロー不在の物語なのに
こんなに熱くさせてしまう力が詰まっています。

進む事も引く事も...自分の中で大切なモノを
見極めさえすればどちらも恥ずべき事ではない...はず。

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by neon_books | 2010-03-23 00:09 | 国内作家さ~

辛島 デイヴィッド / 神村企画(講談社/単行本)

講談社Birthシリーズ。やはりアィデア先行で小説として
欠けたまま読まされた感は否めない印象を残すのが
このBirthシリーズの主旨なのではないか? と本気で
思うようになってきた。それならそれでいいのですが
1000円もする定価設定はいい加減に勘弁して欲しい。
このシリーズって評価されてるのかしらね?

10〜20代に限定した応募なので感覚的に自分が
理解や共有出来ない部分が多いのは分かっているんですが
あまりにも思いつき先行で見切り発車感を感じたまま
読むのは結構シンドい。今作も色んな事が安着かつ
社会で働いた事ない人が書いたような会社組織の薄さや
スーパーご都合主義な部分が雑すぎて...。厳しいっす。

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by neon_books | 2010-03-22 11:48 | 国内作家か~

福田 和代 / プロメテウス・トラップ(早川書房/ハードカバー)

デビュー作「ヴィズ・ゼロ」に近いテイストの作品ながら
ここまでの作品を凌ぐクオリティで...化けましたか??
面白いっす。テーマ自体が個人的に好みってのもあると
思うんですがゲーム感覚の電脳戦は好奇心をくすぐられます。
専門的な部分がやや多く、ちょっとメゲそうにも
なるんですが、まぁ正直、完全に理解してなくても
ストーリーは追って行けるしねw。
こういった専門的な描写をもす少しスリムにして
人間通しの感情の起伏や、交流なんかが上手く描かれて
いるともっと大きく化けちゃいそうな予感です。
まぁ、変に俗っぽく書かれるよりはこのままの方が
余程いいですけど。

こういった作品を読んでいるとパソコンで出来る
こういうハッキングとかって全能な様に思えるんですが
扱うのも人間って事なんですよね。全能の力を持ったと
勘違いする天才が出てこない事を祈るばかりです。
恐らく自分には未知な部分で今までには存在しなかった
コンピュータ犯罪が日々起きてるんでしょうね。怖いわー。

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by neon_books | 2010-03-21 21:03 | 国内作家は~

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