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真藤 順丈 / 庵堂三兄弟の聖職(角川書店/文庫)

第15回日本ホラー大賞受賞作、角川ホラー文庫化。
オビのコメントに平山夢明氏が寄せていますが
それも分かる気がします。
遺体を解体して「遺工」なる製品を作り出す一家の
3兄弟を軸にした相当に歪みきった青春小説。
当然、遺体を解体するシーンなどは王道の
ケチョケチョのスプラッタなんですが、そこには
猟奇的な視点はなく、あくまでも職人目線で淡々と
描かれている為、ホラー的な恐怖や嫌悪感を
感じさせないのは平山氏の「DINER」に近い。

3兄弟中、一番エキセントリックな三男の「毅巳」
のキャラが壮絶でなんとも切なくなってきます。
彼が愛する女性に渡した自分の口汚い言葉を
「変換」した手紙には、正直苦しく切なく、
ホロリとしそうになった。

そんな俗世離れした奇妙な兄弟達の業や苦悩を
乗り越える過程をこんな方法で描くなんて到底
自分のような人間には発想すらつかない。スゲーなー。

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by neon_books | 2010-08-31 09:16 | 国内作家さ~

松岡 圭祐 / 万能鑑定士Qの事件簿 5(角川書店/文庫)

前作でやや飽きてきた感のあったシリーズですが
今回は舞台をパリに移したり、かつての恩師である
高校時代の教師を登場させたりで工夫と変化が
上手い具合に効果を発揮したようです。

高級フォアグラ料理店から発生した食中毒事件。
巻き込まれたかつての同級生を救うべく動く
ヒロイン「莉子」の活躍は知性のモンスターっぷり
を発揮。相変わらず薄いっちゃ薄い内容ですが
サクサクと読める作風はある意味貴重。

ラストの伏線と次回予告がなんとなくリンク
してるような繋げ方はいかにも...ですが
ちょっと期待しちゃいますw。
「万能贋作師」ってw。

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by neon_books | 2010-08-30 08:55 | 国内作家ま~

山崎 マキコ / 濡れた足音で彼女は近づく(ジョルダン/ハードカバー)

無知ってのは怖いっすね。そもそもこの作者を
全く知らなかった事。今作が一般文芸のミステリ、ホラーの
売り場にあった事。実際オビにもホラー小説と書いてあるしね。
なのでつい手にとってしまった。

不快指数マックスの作品。
無知だった自分が悪いんでしょうけど...。
田口ランディ(この作家さんも全く知らずだったし、
興味もなかった...)との盗作を巡る確執を、片方の
立場から一方的に書きなぐっただけの、愚痴の様な
たんなる告発本じゃねーか。
あーあ。色んなもんを無駄にした。

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by neon_books | 2010-08-28 08:39 | 国内作家や~

入間 人間 / バカが全裸でやってくる(アスキー・メディアワークス/文庫)

今回もいい入間人間作品。
私小説とも思える内容のある種の群像劇作品。
とにかく全編が「小説」のことで埋め尽くされていて
なんだか苦しいくらいにその切実な想いが伝わってくる。
息苦しいよ。その息苦しさは好ましい苦しさだけど。
きっと20代で読んでいたら、自分ももっと近い感情の温度で
のめり込んで、もっと気持ちを動かされたかもしれない。
言葉、語感、単語、語呂の多様を極力排除したまさに
「全裸」の作品なのかもしれないですね。

今、このタイミングで今作が出ることに今後の入間人間氏の
作品がどうなるのか期待値アップ。これでハードル上がって
しまってますよーw。

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by neon_books | 2010-08-27 07:01 | 国内作家あ~

高木 敦史 / “菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕(角川書店 スニーカー文庫/文庫)

一風変わったライトノベル。
「菜々子」さんと呼ばれ(名無しのななこが由来)るのは
その本名を連想させる言葉を聞くと、極度のパニックに
陥る彼女と、全身不随の少年との不思議な繋がりが
描かれています。読んでいて息苦しさを
覚えるのは作品自体に緊張感と閉塞感を伴っている
からか? ぐるぐる、グルグルと同じところを
歩かされる騙し絵の螺旋階段を登っているようなイメージ。
一見、心理的な推理もののミステリ作品の皮を
被ってますが、核は歪んでるけど、実は直球な
恋愛ものなのですね。

細かい会話に散りばめた伏線も最終的には
きっちり回収したりするなど細かい芸当を見せ、
着地してるのですが、意図的に長く、ループ展開を
するストーリーが少々疲れるかも。

それにしても肝心の「菜々子」さんの本名って?何?

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by neon_books | 2010-08-26 03:54 | 国内作家た~

蘇部 健一 / 六とん3 (講談社/ノベルス)

やっぱり読んでなかった「六とん3」。
もはやとんかつって関係ないのねw?
爆発力も瞬発力もないオヨヨな極上ミステリ。
前半戦はお下品なネタも満載で、苦笑しつつも
オジさん的にムフフな内容。こんなアホっぽい話、
流石に飲みながらでもしないってばw。

一番最初のもう一つの証言が一番切れ味あったかしら?
それ以降はまぁ...っぽい感じのジャブ連打。
ラストのSF的な作品はただただ、ドラえもんが
読みたくなるー。漫画喫茶に篭ってドラ三昧
したくなってきたのでこの辺で感想は終了w。

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by neon_books | 2010-08-25 12:22 | 国内作家さ~

汀 こるもの / フォークの先、希望の後 THANATOS(講談社/ノベルス)

シリーズ3作目。ここまでで一番好みの作品かも。
今作はミステリを完全に置いてけぼりにして
作者の言う通りに「恋愛小説」として...読めなくはないw。
原型が分からないくらに歪んでしまっているので、果たして
恋愛小説かどうか分かり難いけど。

ミステリ的事件はなかったけれど、二転三転する
ヒロイン「彼方」の周囲で起る、変態達の心理と
行動は想像外のトリッキーさである意味、変則的な
凄ミステリなのかも?

うかつにも最終的にはこの奇妙な「肺魚」の
シンプルかつ強靭な構造に感動してしまった。そして
この4人の狂人たちにすら愛着を覚えてしまう。

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by neon_books | 2010-08-24 05:22 | 国内作家ま~

加藤 実秋 / 風が吹けば(文藝春秋/単行本)

「インディゴシリーズ」が人気の作者による80年代
讃歌小説。80年代に対する作者の思いはインディゴでも
「晶」さんの携帯の着メロからも伺えましたが、今作は
バリバリ王道の1984年が舞台の「つっぱり」青春小説。
一世風靡セピア、菊池桃子、伊藤つかさ、金八先生、
スネークマン・ショウ、プロジェクトX。そして
「ハイティーン・ブギ」!今作の挿絵はその作者で
ある「牧野和子」さんの書き下ろしイラストを使用w。
やりすぎですw。

昔がいいとか今が悪いとかではなく、単純に
この時代を通過してきた、なんとも中途半端な熱を
抱えた世代に人間には共通言語、共通感覚だけでも
充分楽しい。
しかも、ラストはご都合主義を思う存分使っての
ほっこり素敵な締め括りw。ズルイw。

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by neon_books | 2010-08-24 00:10 | 国内作家か~

浅暮 三文 / 10センチの空(徳間書店/文庫)

素敵な青春ファンタジー小説。この中の一部は
中学生の教科書に教材として掲載されているそうです。
自分のような人間が読むと、後悔や過去に置いてきた
「大切」なものや失ったものの大きさに、
打ちのめされそうになります。
だから今作を読む若い彼等には、そうならないように。
そして思い出しても取り返す事、取り返そうと努力する事で
現実は変わるし、壁は壊せるって事が伝わるよよいな...と。
そして...願わくば一緒に「飛べる」仲間や大切な人が
見つかりますように。

「フリー・アズ・ア・バード」を聴きながら!

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by neon_books | 2010-08-23 00:46 | 国内作家あ~

秦 建日子 / ダーティ・ママ!(河出書房新社/ハードカバー)

雪見夏見シリーズとは180度違う、女性刑事ものの
コメディ作品。シングル・マザーの刑事と新人刑事に
抜擢された(正しくはベビーシッターとして)「葵」との
主従関係によるコンビが痛快に事件を解決。
このママ刑事「丸岡高子」刑事のキャラがメチャクチャw。
言ってる事も行動も破壊力抜群過ぎて、コッチが
置いていかれるくらいにテンション高め。
これに着いていけないと...作品自体が空回りした様な
印象になってしまうかも..??
因に自分がそうでしたw。

今作も同様に確実にシリーズ化するような伏線と
展開ですね。

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by neon_books | 2010-08-22 10:34 | 国内作家は~

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