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田中 啓文 / ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺(集英社/文庫)

人気のシリーズ。ようやく手をつけ始めました。
落語とコメディとミステリに更に作者の多趣味性を
散りばめていてサクサクと軽快に読めますね。

傍若無人に見えてやはり噺家らしく浪花節バリバリの
「梅寿」師匠を始め、ある意味ベタな人物設定の
登場人物み古典落語がテーマになっている為か、全く
気にならないし、むしろその空間が気持ちいい。
主人公の「竜二」の落語のセンス以上(?)の
謎解きパート自体がオマケみたいなものですが
バカバカしいものから本格(風)まであってサービスの
多彩な一冊。
個人的には愛川晶氏の「神田紅梅亭〜」シリーズ
の方がより人情噺っぽくて好みですが、こちらは
もっと軽めに単純に楽しめる分多くの人に受けそう。

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by neon_books | 2010-10-31 23:56 | 国内作家た~

石崎 幸二 / 袋綴じ事件(講談社/ノベルス)

この女子校生コンビのシリーズは読む順番が
バラバラになってしまっているんですが...
今のところ問題なく読めてますw。

「ミリア」「ユリ」の暴走コンビは今作では
やや控えめな行動ですが、コンビ漫才、そして
「石崎」を弄り倒す様は容赦なく、数ページに
一回は必ずニヤリとさせられますw。
相変わらずの石崎クオリティ。さらに事件の
謎解き部分にも妙な説得力とギャグを
伏線にした手順を踏んでいて、下らない
なりにも「おおぅ!」と唸らせる、
ミステリとしても読む事の出来るお得な
ギャグノベルとして異彩を放ってます。

「怪傑!ズバット」の件が個人的なドツボw。

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by neon_books | 2010-10-29 05:06 | 国内作家あ~

本城 雅人 / 嗤うエース(幻冬舎/ハードカバー)

筆者得意の野球をテーマにした書下ろし。今回は
八百長...による野球賭博を掘り下げています。
ここ近年では選手絡みの事件は聞きませんが、つい
先日も大相撲協会やらの周辺で世間を騒がせてましたねw。

今作は主人公である天才投手「浪岡」の幼少期から
時間を追って彼の野球人生と彼に付き纏う八百長の
疑惑をジワジワと描いていく。選手として明らかに高い
能力に反して、疑惑を向けられても仕方のない成績。
また浪岡の周辺に存在する後ろ暗い人物たち...。
終盤まで、その真相をボカしながら展開されるストーリーは
野球好きなら退屈知らずで読める...はず。

一気に収束する疑惑の真相と結末は余りにも
呆気ない幕切れで大きく物足りなさが残ってしまう。
途中に目を瞑ってきた粗もこの結果では到底相殺は
難しく、いくら時代設定が1970年代くらいとはいえ、
少々残念な作品という印象になってしまうです。

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by neon_books | 2010-10-28 11:20 | 国内作家は~

有川 浩 / レインツリーの国 World of delight(新潮社/ハードカバー)

図書館戦争シリーズのある意味スピンオフ作。
いやー...効くよなー。有川作品の良さでもある
甘さのある恋愛ものをベースに、ただ甘いだけではなく
ホロリと苦みも仕込んでおり、これ以降の有川作品の
方向も見え隠れしている秀作。ド名作の
「ストーリー・セラー」の完全なるプロトタイプと
言ってもいいのでは? 今作では聴覚障害者と健常者
とが描かれているのを、グルっと回ってある意味
さらにその関係性を重くした、書く側と読む側に
発展させたのがあの名作なんでしょうね。
ちゃんとこうして道筋が出来ていたのね。

しかし、この作品もそうですが有川作品に
登場する男子たちは...真っ直ぐで熱くて、
カッコいいよねー。有川作品を読んだ女子たちが
現実の男に幻滅しそうなくらいのイイ子ばかりw。

小説の中くらいはいいよね。いっぱいベタ甘の
この世界に浸りましょうかw。

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by neon_books | 2010-10-26 22:47 | 国内作家あ~

松岡 圭祐 / 万能鑑定士Qの事件簿 6(角川書店/文庫)

予告通り、ライバル「万能贋作師」の登場です。
結構期待していたんですが、贋作師というよりは
単なる巧妙な詐欺師...でしたがww。しかも惜しげも
なくの使い捨てキャラなの?? どうせなら、もう
少し引っ張ったり、以降の登場の含みがあった方が
面白そうなのになー。

内容的にはここまで同様に「莉子」の怪物的な
知識量と洞察力が警察組織を余裕で上回り一件落着。
雑学とトリビア(古いの? もう言わないの?)が
ふんだんに織り込まれてるんで、ちょっとした
知識を出せる場所では、重宝するネタも詰まってて
かつ、ストーリーもサクサクと楽しめるという
スナック菓子のようなお気軽な(褒めてます!)シリーズ。

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by neon_books | 2010-10-26 08:23 | 国内作家ま~

朱川 湊人 / オルゴォル(講談社/単行本)

10歳の少年の優しく、強い成長物語。と書いて
しまうと一行で終わってしまうのですが、それ
以外に良い言葉が見つからないですw。
でも、凄くいい成長物語なのです。
(きっと)どこにでもいる、極普通の、チョイ生意気な
小学生「ハヤト」が思いもしないタイミングで、
とある老人からの一生の願いをを請け負ってしまう。
小狡く請け負ったはいいが、その罪悪感との葛藤、
母親との2人での暮らしの中での葛藤、友人関係...
子供にだって悩みは尽きない。
そんな前半を経て少年は遂に旅立つ。

そして旅先で再会した父親とに感じる少しのズレ。
そう、そのズレを感じたのなら、以前に比べて
大人になったという事の証なのだよ、少年!

少年の目に映るもの、聞く音、味わう味、感じる空気、
そして出会った全ての人。その瞬間、瞬間に彼は
成長していく。青臭いし、ベッタベタですが
凄く好きです。「ずっと、ずっと知っておくよ」
という気持ち。ジワっと来ちゃうよ。

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by neon_books | 2010-10-25 21:08 | 国内作家さ~

小島 正樹 / 四月の橋(講談社/ノベルス)

今までの大掛かりなトリックや奇抜な
謎解きを排除したようなゆったりとした
ややもすれば2時間サスペンスのような
作品。でも、しっかり読み応えがあり、
ジワっと人間味のある内容に仕上げているのは
明らかに作者の書き手としての能力が
上がっているからこそか!?
個人的にはここまでの小島作品の方向よりも
こちらの作品の方が素敵に思います。

今作は一見普通でお人好しな弁護士「川路」
が終始、好きな人、その家族を救う為に
能力を越えて必死になって事件を追う様が
なんとも訴えてくるのだ。リバーカヤックを
通じて仲間になった友人達にみっともない
姿を晒してまでも、事件を自分が解決する
んだという心意気がジンワリと心を打つ。

今までの作品と比べるとミステリファンから
したら物足りないかも...ですが今作の方向と
以前までの作品のミステリ部分が上手く融合したら
スゲー化けちゃう...かも!!??

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by neon_books | 2010-10-25 08:45 | 国内作家か~

三咲 光郎 / 死の犬(角川書店/ハードカバー)

作品全体を冷たい温度で、出口の見えない
救いようのないストーリーが淡々と
語られるのだが、一見、低温の様に見えて
実はその身を瞬時に焼き付かすような
青白い「死」へ向かう主人公「智也」の
狂っていく様が圧巻。元特攻兵として
復員した彼の行き場は何処にもなく、誰も
いなくなった「このクニ」に於いては
犬死にし損なった亡霊同然の虚無感が
常につき纏う。

更に帝銀事件を作品に取り込む事で
今作のもう一方の凄みを醸し出している
ような気がします。もちろん今作で書かれる
事件の真相自体は作者の創作によるものだが
妙にリアリティを持ち、更に惹き込まれる。

常にこの冷えたテンションなのに一気読み
させられるオーラを纏った快作...かも。
読み終えてからジワジワと来るんだよね。

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by neon_books | 2010-10-24 00:40 | 国内作家ま~

大門 剛明 / 告解者(中央公論新社/ハードカバー)

社会派ミステリの新星、ハイペースでの
執筆ですね。今作も作品を通して書かれる
テーマにはブレがなくズシリとした一本の
太い幹が根付いています。
「更生」という事。罪を赦すという事。
適度な重厚感と緊張感を伴って
グイグイと読ませてくれます。

いくつか安直すぎてやや辟易するような
場面や構成もあるのが個人的にはシンドい
ですが、「更生」と「赦し」という主題
自体は上手く読者へ提起されている様に思います。

但し、やはりミステリ的な部分はやや弱い?
冒頭で描かれ、今作の肝になっている殺人事件の
解決としては余りにもお粗末...な気がします。
哀しみを背負った刑事「梶」の取る行動にも
大きな疑問が残ってしまう。
むー....惜しいのです。

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by neon_books | 2010-10-23 00:42 | 国内作家た~

歌野 晶午 / 舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵(光文社/ノベルス)

まさかの続編!! 歌野作品の中でもゆる~い系の
ミステリ作の続編。主人公「舞田ひとみ」がしっかりと
前作よりも3年の時を経て14歳、中学2年生として
更に大人顔負け(と言うよりもほとんど名探偵)の
推理を駆使して、女子中学生の日常(非日常的な
物騒な事件多しw)の事件の謎を解いていくんですね。

彼女達の会話はユーモアあるコメディ要素強い
ゆるい雰囲気なのですが、読み進めていくと
作品全体に、そこはかとない現代のなんとも
言えない哀しさも感じる...のは自分だけかしら?

余りにも冴えるひーちゃんの推理はやや
出来過ぎな気もしますが、しっかりと
「論理的帰結」に基付いての展開はやはり
歌野作品。
また次作は...3年後? 今度は17歳の女子高生
になったひとみに会える...のかな?

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by neon_books | 2010-10-22 19:25 | 国内作家あ~

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