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伊岡 瞬 / 明日の雨は。(角川書店/ハードカバー)

ミステリ関連の賞をいくつか受賞されている様ですが
それ程ミステリ色は濃くないですがそういった嗜好の
人間が充分に読める青春小説。

前半は学校で起るトラブルを解決していくような
スタイルでミステリ色もあるのですが、中盤から後半に
かけては、23歳という微妙な年齢の腰掛け気分の
音楽の臨時教師となった主人公の「森島」が、学校という
超閉鎖的かつ封建的な異空間で勤務をしながら、小さな悪魔
と呼ばれる小学生達との交流を経て、彼自身も現状の
23歳というまだ幼い世界から...少しだけ抜けていく様を
描いています。いつも思っている事なんですが、学校の
先生は本当に大変そうな仕事で無条件で頭が下がります。
改めて今作を読んでそう感じますね。

が、自分としてはなかなかどこに感情移入をして読んだら
いいのか分かり難かったのですが、ラストに「森島」に
「うるせえ、ジジイ」呼ばわりされる校長に一番の
近いものを感じてしまい自分でも困惑。
当初の予定通り足掛けた臨時教師に吐かれた正論は
残念ながらさほど自分には響かなかった...。

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by neon_books | 2010-12-31 09:44 | 国内作家あ~

西尾 維新 / 傷物語(講談社/講談社BOX)

このストーリーの語り部で主人公でもある
「阿良々木暦」が半端な吸血鬼として今に
至るまでのある春休みを描いた、化物語の
前にあたる作品。

化物語でギャルゲーの主人公の如く小中高と
総ナメにしてきた「阿良々木」くんですが
実はその前に年上...しかも金髪の吸血鬼を
攻略済みだったのね!
バッドエンドにしか向かえない悲しくも
痛ましい物語は傷だらけだが、精一杯に
阿良々木くんが自分の生き方まで変えて
決心をするターニングポイントの春の
物語。

そして委員長である「羽川」嬢が今作の
裏主人公で、委員長萌えな為の作品でもあるw。

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by neon_books | 2010-12-30 23:21 | 国内作家な~

乾 緑郎 / 忍び外伝(朝日新聞出版/単行本)

第9回の「このミス」受賞作家による忍者ものの
時代小説。時代ものですが割と自由な作風でしかも
忍者ものなので苦手意識のある方でも読み易い気が
しますね。作者自身は舞台脚本を書かれているだけ
あって文章も読み易く、情景が想像しやすい。
ただちょっと時間軸が分かり難い...かな?

伊賀の上忍に直々に育てられた主人公の「文吾」が
忍者という生き方、己のアイデンティティを模索する中
歴史の渦に巻き込まれていく...。伊賀壊滅に向けて
北畠軍の大軍が迫ったり、その中で妹分の「お鈴」との
微妙な恋愛に揺れたりと...なかなかに忙しいw。

この主人公の「文吾」は後に石川五右衛門と
なるようなのですが、今作のラストは時代小説かつ
青春小説のようで爽やかで清々しい。ただ作中に
色々な要素がゴチャついていて、大きな軸が少し
ボヤけてしまうのが残念。
「このミス」を受賞した作品も近日出るので
そちらも楽しみ!

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by neon_books | 2010-12-29 14:30 | 国内作家あ~

平 安寿子 / こっちへお入り(祥伝社/文庫)

今まで自分が読んできた落語とミステリが融合した
作品よりも純粋に落語の比重が大きいエンタメ作品。
落語の比重が大きいだけに人情噺にも似たかなり
心情的にグっとくるいい内容ですねー。
何となく毎日を生きる独身女子が落語の魅力に
取り憑かれていく過程を初心者目線...主人公と
同じ様に落語素人にも凄く良く分かる書き方して、
興味の薄い人でもその世界を楽しめる様な作品になっています。

「ハナシが〜」シリーズよりもより落語のネタに
密接していて「神田紅梅亭〜」に近いチョイ涙が
出そうになります。実際の噺家さん達を引き合いに
出しつつ、各ネタ自体が噺家によって異なる解釈と
印象を与えてくれる、懐の深い芸能だという事を
作品を通して伝えてくれます。名作人情噺「芝浜」
の件にはかなり涙を誘います。

今作の主人公「江利」同様、落語に興味がなかった
人も少しは...興味を持つんじゃないかなー? と思える
入り口には最適な暖かい作品です。

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by neon_books | 2010-12-27 22:59 | 国内作家た~

牧 薩次 / 郷愁という名の密室(小学館/単行本)

某大御所作家の別名義による2作目。本格のようで
その実はSFとミステリの融合したようなメタのような
不思議な作品。作中で起る事件は全くもって整合性が
取れないのですが、起ってる事件の舞台そのものが
反則のようなものなので、もはや...何でもアリな状態w。
こういったSFが絡んでくるとどうにも...個人的には
苦手で...珍しく足掛け4日もかかってしまった。

とは言え自分でも名前を知ってる大御所の書いた
作品なのに自由で、無理のない若々しさを感じるのは
大きな魅力です。
牧薩次名義での最初の作品の評判は凄く良い
ようなのでそちらを是非読んでみたいですね。

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by neon_books | 2010-12-27 09:29 | 国内作家ま~

蓮見 恭子 / 女騎手(角川書店/ハードカバー)

第30回横溝正史ミステリ大賞優秀賞作品。
女性が女性騎手を主人公に書いた競馬ミステリ。
作中にも登場しますがディック・フランシスへの
敬愛がベースにあるのでしょう。とは言っても
自分は数十年前に2作程度しか読んでないので
何とも言えないのですが...。

競馬ファンには馴染みのある用語や、簡単に
思い浮かべる事の出来る情景やレースや閉鎖的な
競馬界の描写は、競馬を知らない人にはかなり
理解が難しいのではないでしょうか? そういう
意味ではこの作品のそもそもの「事件」が
競馬ファン以外には分かり難いかもしれません。

主人公で探偵役が女性騎手なのですが、その
人物にもイマイチ魅力を感じられず、そんな
探偵なんかする暇あったら、しっかりとレースに
勝ってくれよー...と思うくらいに騎手としては
不甲斐無いのも...どうなのかしらw?

そして今週末は...有馬記念!今作に
登場する馬が「ホナミローゼス」。
ん?? ローズ? 「ローズキングダム」
から買ってみようかなw?

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by neon_books | 2010-12-23 09:28 | 国内作家は~

黒崎 視音 / KEEP OUT 警視庁心理捜査官(徳間書店/文庫)

「心理応用特別捜査官」の続編にあたり作品。
その前作は読んでいたんですがかなり細かく
調べられた警察小説だったのは覚えてましたが
ストーリーの詳細や登場人物に殆ど記憶が...ないw。
今作は短編連作形式で(恐らく)前作でトラブった主人公が
配属を移動になってからのストーリー。
所轄になったんですね。そこで起る事件を
新たな同僚と共に追っていくのですが、その」
事件の質がやや片寄っていて、個人的には
少々苦手な後味の悪い事件が多くて、少々
辛かったかな...。

前は読んでいても圧倒される文字量だった気が
するんですが、くだけた表現も増え、かなり
読み易くなっているようです。警察小説ファンに
更に受け入れられるシリーズになっていきそうですね。
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by neon_books | 2010-12-22 01:33 | 国内作家か~

蒼井 上鷹 / バツリスト(祥伝社/単行本)

あぁ...個人的には少し苦手な方の蒼井作品かも。
少し捻くれていてユーモアのある蒼井氏が
この方向に寄った作品だと何故か少々
苦手なのです。なんだか読んでいてゴチャゴチャ
になってきて何がどうなってるのか分からなく
なってきてしまうw。

ストーリーが意図せぬ思わぬ方向に転がって
いくのは分かるんですが、そもそものこの
バツリストなる存在や、それに協力しようって
いう奇特な登場人物達、そして彼等バツリストの
アジトとなるお店「×」でのカレーなど...
意味の分かり難いなんかシュールな世界で
気持ち的についていくのが大変w。

そんなトコも含めてこの方の味なんだとは思いますけどね。

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by neon_books | 2010-12-21 00:36 | 国内作家あ~

島田 荘司 / 写楽 閉じた国の幻(新潮社/ハードカバー)

これは圧倒的に面白いっ!もはや島田荘司作品に
興奮することないと思っていた自分を戒めつつ
構想20年という時間を使ってここまで書き上げて
作品した信念に感動すらします。全671Pですが
「写楽は誰か?」という最大の謎に向かって全ての
事がその為の前振りになってるというもはや病的とも
言える壮大な作品。主人公の「佐藤」の大切な
一人息子をああいった悲しい目に会わせる必要が
あったのか!??という事も、恐らく今作では
表面に出ない部分では必然だったというあとがきに
更に唖然。これ続きって書けるんですか? 島田先生w。

写楽の正体ってのは凄く薄らですが、高橋克彦氏の
作品を読んでから興味はあったんです。今回の作品の
中にある諸説もなんとなくは知っていました。その
諸説で語られる事のなかった、あのトンデモ説に
近い形を今作は説得力と膨大な資料を紐解いて、
提示してくれました。まさかと思いつつも、後半の
この説の熱と展開に思わず鳥肌が...。
流石宝島社の「このミス」2位ですな。個人的には
1位の作品より全然面白かった!

何年かかってでも、この続編、お待ちしてますよ!

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by neon_books | 2010-12-20 06:31 | 国内作家さ~

西尾 維新 / 化物語 下(講談社/講談社BOX)

予想以上に面白かったので下巻まで一気読み。
趣味で書かれた作品と言われるのも納得する
くらいに作者自身が書いていて愉しい事が
分かるくらいに、逸脱する会話、遊び、
マニアネタ、そして変な方向に捩じれた
ラブコメ満載のこのシリーズ。下巻も
間違いないです。

女子高生、小学生wと制覇した「阿良々木」くん、
今作では女子中学生を攻略w。残るは年上だけだおw。
更にラストは神に選ばれし優等生の「羽川」の
エピソードで主要キャラ総なめです。

一番素敵なのは「阿良々木 & 戦場ヶ原」カップルの
初デート...西尾維新の作品とは思えないくらいに
ド直球の甘酸っぱさ満点です。

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by neon_books | 2010-12-19 00:39 | 国内作家な~

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