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大崎 梢 / かがみのもり(光文社/単行本)

BOOK WITH YOUという光文社が新たに打ち出した
大人と子供、両方の為のジュブナイル作品(恐らくね)
の第一弾シリーズ。そういった意味でいい選択で、
いい作品だと思います。

全く個人的な事なのですが好きな作家さんである
大崎さんですがここまで、書店モノの作品は
全て素晴らしいのですが、その他の作品がイマイチ
自分にはハマらない...。今作も結果として同様で、
中学生、田舎、自然、古くからの伝承...などと
言った要素で「ねずみ石」に非常に近い世界観です。
お騒がせコンビの中学生視点ではなく、その教師の
視点で描かれているので、イマイチ青春ミステリとしての
面白さが伝わってこない...のかも。

それでも大好きな作家さんである事は間違いないので
決してネガティヴなイメージではなく、あくまでも
この方向の作品に自分がハマらないだけですので...
すみません...(汗)。

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by neon_books | 2011-03-31 07:21 | 国内作家あ~

西條 奈加 / 無花果の実のなるころに(東京創元社/単行本)

西條さんの現代ものを読むのは今作が初めてですが...
いいですねー。ちょっとベタで優し過ぎるような気も
しますが、全体を通して温かくて美味しいご飯の湯気
のような心落ち着く作品です。最近読んだ「吉永 南央 /
アンジャーネ」のようなトーンで、素敵でほっこり
する連作短編。東京創元社...やるなーw。

自分だけが思う事かもしれませんが、加納朋子さんの
作品のようなトーンで、日常の謎を中学生の主人公
「望」くんとその祖母「お蔦さん」が探偵として
その謎を解決。そしてただ解決するだけでなく、その
当事者の抱える心や関係まで入り込んで、絡んだ糸を
ゆっくりほぐすように関わっていくのが、なんとも
おせっかいながらも人間臭くて好感度高い。

そして中学生ながら立派な家庭料理人の「望」くんの
レシピも温かくてとても美味しそう!

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by neon_books | 2011-03-30 02:45 | 国内作家さ~

野崎 まど / 小説家の作り方(アスキー・メディアワークス/文庫)

「この世で一番面白い小説」というなんとも魅力的かつ
超ハードルの高いテーマ(?)に大胆にも挑戦した
異色かつ意欲作。基本的にはキャラもののライトノベルに
SFとミステリ的な要素を加えて、テーマに反して
かなりサクっと読める仕上がり。
結果として「この世で一番面白い小説」という部分が
主人公の若手作家に小説を教わる謎の美少女の正体と
その真相に焦点があてられて行く事になって、
ややトーンダウンした感は否めない...か?
SF的な展開もちょっと急かつ、余りにもスーパー都合のいい
ハイテクっぷりにラストの展開もバレ易くなってしまった...かしら?

ま、その分キャラものとしてはかなり楽しませて
くれるいいキャラ達が作品に彩りを与えてくれるので
さほどガッカリ感はないのですけど...。やはり
「この世で一番面白い小説」ってのに出会ってみたいものですw。

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by neon_books | 2011-03-29 05:55 | 国内作家な~

望月 諒子 / 大絵画展(光文社/ハードカバー)

第14回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
ゴッホの作品「医師のガシェの肖像」を巡って
繰り広げられる二転三転する騙しと、事実と
推理と創作を織り交ぜたゴッホの作品の謎が
展開されます。この作品が当時、大昭和製紙の
会長によって、トンデモない高額で落札された
ニュースは覚えていたし、(その購入後の失言までもw)
当時のバブルが産んだ日本の狂気が、こういった
絵画や美術、芸術にどのような作用を与えたのかは
興味深いですね。

そこまでの罠を張ってまでこの作品を入手する
必要があるのか?とか、やや回りクドさを
感じてしまったりとしたのは単純に読書に
集中出来るような現在の環境の所為なのか?
は分かりませんが、この「ガシェ」を巡る
ストーリーは、日本でいう写楽のような謎を追う
ミステリーのようで興味を持って読めたのは収穫。

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by neon_books | 2011-03-28 22:47 | 国内作家ま~

蒼井 上鷹 / 4ページミステリー(双葉社/文庫)

短編、しかもこういったかなり短い作品に
定評のある作者が「小説推理」誌にて5年も続く
連載作品をまとめた珠玉のショートショート・ミステリ。
全ての作品が4ページ、原稿用紙5枚の2000字以内で
収めています。過去の経験からこういった作品は
一気に読むものではないと分かっていたので、自宅の
とあるところ限定で読んでおりましたw。

60本の短編ゆえ個人的は、善し悪しもバラバラな作品集ですが
ココまで制限を設けて縛りのある中では、かなりミステリとして
読ませるアイディアの詰まったものも多く、確かに勿体ない気もします。
もう少し練って拡げれば面白い中編になるかもなのにw。
どうしても構成上、ラストの1行にインパクトを与える構成なので
一気に読むとやはり飽きがきそうでしたね。

トイレで小分けにして読んで正解でしたw。

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by neon_books | 2011-03-28 00:23 | 国内作家あ~

中山 七里 / 連続殺人鬼カエル男(宝島社/文庫)

作者のここまでの作品「~ドビュッシー」「~ラフマニノフ」
のイメージを180度...いや540度くらい覆すかなりエグい
猟奇殺人を題材にしたガチのミステリー。作品タイトルと
表紙のイラストからもう少しライトなものを想像しがちですが
実際はかなりエグいし、その内容、テーマもシリアスで
重たく、読後の虚脱感たるや...結構なモノです。
中盤の市民を襲うパニックの件はやや大袈裟で強引かなーと
思いながらも、作品の持つパワーにズルズルと引き込まれていく。
ミステリの醍醐味としてのラストのクルクルと翻弄される
ドンデン返しも見事。ある意味こっちの作品の方が
「このミス」的ですらあります。

驚きなのは「このミス大賞」を受賞した「~ドビュッシー」
と同時にこちらの作品も応募して、両方とも最終選考まで
残っていたということ。ここまでカラーの違う作品を
この時点で違和感なく書き上げているのは...すでに
デビュー前の作家さんとは思えないです。
さらに凄いのは、こちらの作品でも「音楽」という
テーマがあり、前作とは全くアプローチながら
やはり「音楽」というパワーを裏返しながらも信じているという
作者の思いを潜り込ませている...気がしてならないです。

侮るなかれ中山七里。

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by neon_books | 2011-03-27 00:44 | 国内作家な~

湊 かなえ / 花の鎖(文藝春秋/ハードカバー)

今、このタイミングで湊作品に手を出すのは
結構躊躇をしたんですよね。いつもみたいに
アノ、ドヨーンとした重たい空気になるのは
ツラいなーと思っていたんですが...。オビの
コメントにあるようにまさにセカンドステージと
言えそうな新たな方向の作品。
他のレビューなどを拝見しても絶賛派が圧倒的に
多く、「告白」苦手な方も今作は殆どの方が
感銘を受けているようです。

作品の構造は割と最初の段階でその意図は
見えてくるのですが、そこをメインとした訳ではなく
むしろ、その構造が分かってからが、今作の
大きな幹が浮き彫りになって、惹き込まれていきます。
いつもの、人間のイヤーな毒パートは少々抑えめにしつつ
母娘の関係の描き方、そして各女性像の描き方が
強くて優しくて...そして弱くて脆くて...と魅力的です。
明らかに今までの作風た、見せ方や、読者を惹き付ける
ポイントと異なっている気がします。

この路線は凄く合っているんじゃないでしょうか?
ただこうした群像的な切り口や、個別パートのコラージュ
のようなものではなく、一本のビッシリとした長編も
読んでみたいです。一発屋なんかではない湊かなえの
今後作も楽しみです。

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by neon_books | 2011-03-26 11:56 | 国内作家ま~

北山 猛邦 / 私たちが星座を盗んだ理由(講談社/ノベルス)

もはや北山作品とイラストの片山さんはタッグのように
定着したイメージですね。今作は5編の短編が詰まっており、
ここまでの北山作品には全くないタイプの作風で
物理トリックなしで真っ向勝負。
イラストイメージ通りの、なんだか果敢なく、寂しげで
切ないけれど、少年少女たちの思春期が持つ残酷で
切実な想いが大きなテーマになっているような気がします。
決して優しく暖かな作品ではないですが、何故か胸が
ソっと押しつぶされるような感覚に陥ります。

さらに今作は全編が「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」
に拘っており、まさに最後の一行、センテンスで積み上げた
イメージとストーリーがガラガラと音を立てて崩れたり、ハっと
されられたりと破壊力のある構成です。これは米澤穂信氏の
作品にもありましたが、もっと分かり易くて、
ショートショートなどで見られる様なラストが待ち構えています。

顕著なのは第一話の「恋煩い」。これには久しぶりに読書中に
ゾワリ...と鳥肌がたちましたよ。

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by neon_books | 2011-03-25 03:12 | 国内作家か~

池井戸 潤 / 下町ロケット(小学館/ハードカバー)

ロケット小説に外れ無し...という勝手な持論をまた
裏付ける一冊でした。やはりこの方の書かれる企業版の
浪花節作品は本当にページを捲る毎にグっと来ます。
こんな社長のもとで働きたい...と思わせるほど
青臭くて熱くて、真っ直ぐすぎて...その下町l工場の
社長の「佃」を支える社員も色々あるけど、結局
自分の仕事に誇りとプライドを持っている、全うな
人間ばかりで、余計に胸を熱く、涙腺をユルくさせてくれます。
余りに理想論かもしれませんが、こんな閉塞感の
日常の中で、この世界に浸る事の楽しさと、夢を持っても
いいのかな...と思わせてくれる魅力ある作品。

出来る事を、とにかく一生懸命に、誠実にやるという
単純で難しい事。それが「仕事」なのだと改めて痛感。

そして、こうやって読書がまだ出来る状況を嬉しく思います。
でも、毎日、増していく閉塞感、不安感、緊張感...正直
怖くて仕方ないよ。

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by neon_books | 2011-03-24 04:39 | 国内作家あ~

中村 啓 / 家族戦士(角川書店/単行本)

確かこの方も「このミス」出身の作家さんですよね。
未読だったんですがホラーのイメージだったんですが
この作品は(恐らく)ガラリと作風の違うちょっとシュールな
コメディタッチの家族物語。このぶっ飛んだ父「影夫」は
別として、妻、長男、娘のちょっとした歪さや、抱える
暗い部分はデフォルメして書かれていますが、実は
ごく普通の家族の中に、普通にあることなのかもしれません。

...と強引に真面目風な感想にして見たのですが
正直...なんだかやっぱりヘンな小説ですw。
単純にシュールなギャグ小説として楽しんだ方が
面白いかもしれません。長女の章で登場する、
サブキャラの変態小学4年生の「麻生」くん。
凄すぎですw。

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by neon_books | 2011-03-23 07:47 | 国内作家な~

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