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古野まほろ / 探偵小説のためのエチュード「水剋火」 (講談社/ノベルス)

ようやく手にする事が出来たこのシリーズ!! かなり昔に読んだ
「天帝〜」シリーズ(このシリーズって文庫は幻冬舎からなんですね!!)
がイマイチ自分にハマらなかったんですが、「群衆リドル」が
かなり面白く読めたので、是非読みたかったんですよね。

シリーズ1作目となるが故なのか、中盤までは事件らしい
事件はあくまでも伏線として展開されている為、少々
退屈...というか...余りにも膨大で細かい小ネタ満載で
自分程度の知識ではその半分も拾えず...orz
それでも、充分楽しめるんですが、元ネタ知ってる人には
ニヤニヤの止まらない作品なんでしょうねー。

中盤以降の学校内で突発的に起こった爆発による殺人事件から
一気にミステリ色が濃厚に漂ってきます。タイトルにある
「探偵小説」としての基本は網羅され、プラス、ガジェットも
満載で体裁的には歪な青春小説風ですが、ちゃんとミステリと
して最後まで展開してくれます。面白いっす。
「天帝〜」が苦手だった人は、逆にコッチから入って、遡って
いくのがいいのかもですね。

余談ですが「水」「火」「土」が近所のブクオフの100円棚に
並んでいたのを一気購入w。残りを同様に探すのは難しいだろうなー。

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by neon_books | 2012-02-28 18:41 | 国内作家は~

ヘレン・マクロイ / 家蝿とカナリア(東京創元社/文庫)

1942年、アメリカ作品。これは...久々に読み終えるのに
苦戦した作品。時代背景やいかにもアメリカ...というか
海外翻訳ものっといった感じ全開の文章や言い回しや、
登場人物達の会話...そしてその登場人物が、サラリと
頭に入ってこず、さほどの分量ではないのに、1週間も
かかってしまいました。

作品の問題ではなく、自分の問題なので書く必要も
ないとは思いますが、もう中盤は惰性と意地と努力
をもって、文字を追っていたんですが、流石に
謎解きの核になる手掛かりやヒントが出てきた
辺りから、ようやく概要が掴めてきて、その
クライマックスの謎解きになる犯人と探偵役の
「ベイジル博士」との対峙はミステリならではの
面白さだった...と思いますw。

やはり自分にとって翻訳ものは未だに
苦手意識もあってか、一旦手こずって止まって
しまうと、読み終えるのが精一杯で作品を
楽しめるまでのレベルに達してないんだなー。
精進、精進。

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by neon_books | 2012-02-24 22:26 | 海外作家

池井戸 潤 / 鉄の骨(講談社/ハードカバー)

以前も感じた事ですが、自分が好きな音楽は
最初の1秒ですでにカッコいい。そして自分が
好きな小説は最初の1ページから面白い。今作が
まさにそうでした。元々好きな池井戸さん作品
だからなのかもしれないけど、熱く、正しく、
面白く、泣いて、怒って...と本当に作品に気持ちが
入り込んでしまいます。ド名作「下町ロケット」の
前の作品ですが、この時点で既にあの世界は
出来上がっていたのかもしれません。

若く、そして真っ直ぐでキレ者ではない
現場にいたゼネコンマンの主人公「平太」が
現場からいきなり本社の営業への移動から
始まる、現代日本の資本構造の表と裏の
「本音の世界」の物語。池井戸作品のお仕事小説は
本当に現場感がリアルで、登場人物の心の中は
恐らく、多くの読者にとって、自分の代弁者が
いるところが魅力なんだと思います。
今作にも「平太」を始め、その談合課と揶揄される
営業課の先輩や課長、そして部長。さらには現場監督に
至るまで、ボクらの代弁者であり、理想なんだなぁーと。

537P、全く長さを感じずに高揚感と羨望を持って
一気読みでした。不思議と自分にとって、仕事で
煮詰まったり、不安になったり、疑ったりした時に
池井戸作品を読んで、頑張れていますw。
痛快すぎるラストの展開も含めて、一級のお仕事小説で
エンタメ作品です。

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by neon_books | 2012-02-17 01:32 | 国内作家あ~

吉川 英梨 / アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社/文庫)

うー。なんだかイマイチ読んでいても
胸苦しい感覚が付きまとうなんとも言えない
作品で...正直...微妙というのが本音。
そもそもの事件の発端になった過去の
警察という組織による隠蔽...が前提として
あるんですが、この事件がなんとも胸糞悪い。
実際にこんな事があるなんて想像すら、絶対に
したくないイヤなスタートが、終始引き摺って
しまった感があります。

作品そのものは読み易く、サクサクと進むし
後半にきてようやく姿を現しはじめる
テロリスト組織のリーダー「アゲハ」の
正体も上手く姿を隠していて面白いと思います。
主人公の「原麻希」のキャラのその周辺の
刑事たちや、その子供たちも好感が持てるんですが
なんにせよ、最初の隠蔽事件そのものが...
残念でしかたないです。
もっと別の持って行き方がなかったんですかねー。

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by neon_books | 2012-02-17 01:07 | 国内作家や~

霞流一 / スパイダーZ (講談社/ノベルス)

1年半かかったという霞氏、渾身の異色作品。ご自身の
あとがきでも触れていますが、三重構造の真相による
パズラーが織り成され、そして、警察小説で、本格ミステリで、
アクション小説という三重構造にもなっています。

異色なのはこの三重構造の作品...ではなく主人公の刑事
「唐雲蓮斗」の設定とキャラにあります。こんな主人公の
刑事...見たことないですw。序盤では想像がつかないほど
完全なる◯◯◯◯ですw。正義の為に己の全てを投げ打って、
己の修練、鍛錬を欠かさない、もの凄い努力家で、ある意味
刑事の鏡なんですが...そのベクトルが真逆w。
こよなく「ピーポくん」を愛するが故に、感情が爆発した時の
口癖も...常軌を逸してます。この辺りは流石の霞クオリティ。

本格(ガチの本格ファンには微妙かもですがw)ミステリ構造での
見立て殺人、密室殺人、そして論理的推理もこの「唐雲」の
狂人的な人格を投影したような笑いと狂気の紙一重な展開で
バカっぽさの向こう側に見える、高温度の恐怖がジワジワきます。

...これ...続編書いてくれないかなー。

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by neon_books | 2012-02-15 14:14 | 国内作家か~

倉阪鬼一郎 / 五色沼黄緑館藍紫館多重殺人(講談社/ノベルス)

年イチのお楽しみの倉阪大先生による活字アートとも
呼べる講談社ノベルスの書き下ろし新作による...
バカミステリ。タイトルからして一連のアノ流れが
想像つきますが、やはり今作の歪んだ力の入れ方の
仕掛けを全て見抜く事は、恐らく誰にも出来ません。
もし、この仕掛けを見抜けた方は...残念ですが
まともじゃないですw。御愁傷様ですw。

作中に幾つかのヒント(ヒントというよりは
明らかに不自然だったり、不審さ剥き出しw)の
箇所があって、なんとか食い下がろうとしたんですが
やはりその上を行く、病みっぷりのバカミスでした。
「三崎黒鳥館〜」のような衝撃はなかったですが、
それは致し方ないかと...。この一連の作品について
そもそもちゃんとしたレビューをする事自体がどうか...とw。

未読の方でもしも、今作を読まれるような
奇人がおられるならば...絶対にパラパラと
ページを捲るような事は厳禁ですよ。その時点で
一気に読む気が失せますからw。

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by neon_books | 2012-02-13 01:01 | 国内作家か~

辻村 深月 / オーダーメイド殺人クラブ(集英社/ハードカバー)

こ...これは...。女性からしたらどういう感想を
抱く作品なんでしょうか? もしかしたら疑問や
違和感を感じたのなら、きっとその方が所謂
「リア充」側のイケてるグループだったのかも。
自分は男子でしたが、完全に仮面中学生で、他人の
目を気にし、計算しながら無難に学生生活を
過ごしてしました。今作の主人公「アン」のように
いつ破綻するかという恐怖に怯えながら...。

オーダーメイドの殺人という一見、物騒ながらも
やはりどこか中二病と言われかねない主人公アンと
徳川の関係は幼さ全開ですが、やはり女性目線で
書かれているが故に、少々大人ぽいですね。
きっと中二男子でこんな徳川のような男の子は
まず、存在しないと思いますw。

イタさも、清らかさも、残酷さも全て含めて大切な
時期だった中学生活。自分の時代にも女子の間で
こんなにドロドロした人間関係が渦巻いていたのかと
思うとゾっとしますね。

思春期のイタさと2人による事件の成立の可否、
そして終始ザワついた感触で展開してきたのに
ラストで余りにも爽やかな青春小説に昇華する
強引ながらも素晴らしい手腕の光る作品です。
好き嫌いありそうですが、仮面中学生だった自分には
イタいくらいにハマりました。

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by neon_books | 2012-02-12 04:20 | 国内作家た~

福田 和代 / リブート!(双葉社/ハードカバー)

これもいい作品。相変わらず専門知識ぎっしりで
ハードな内容な雰囲気ですが、その核はお仕事小説...
というか2人の主人公の男としての成長小説に思わず
目頭が...ジワりとしてしまいます。

「ヒポクラテスのため息」もそうでしたが、会社とは、
企業とは、仕事とは、そして人を育てるという事が
更に濃い密度で書かれていて、会社で働く人はかなり
グっと来るんじゃないでしょうか? 2人の主人公
「横田」と「仲瀬川」水と油のような性格の違いながらも
お互いを意識し、ライバルとして、そしてパートナーとして
の関係をそれぞれが悩み、苦悩しながら、出来る事を嘘なく、
それぞれの誠意で部下に接する姿は、憧れます。
どちらの男も魅力的で、どちらの下でも働いてみたいと
思わせます。

やはり、人が仕事をする以上、「人」以上の財産は
会社にとってないはず。そんな事も分からず人事評価を
するようなアホ会社はそtれなりの結果が当然待っているんでしょうね。
アノ会社もまさにその典型じゃないでしょうかw??

ここまでの福田作品にほぼ外れナシの脅威の打率。
カタカナ満載の専門的な内容も、読み易くて
今作に於いてのシステムトラブルの経緯やその原因も
しっかりとミステリ的に楽しく読めます。
まさに一気読み必至。

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by neon_books | 2012-02-11 17:56 | 国内作家は~

パット・マガー / 探偵を探せ! (東京創元社/文庫)

1948年作品。作品のタイトル通りにまさに「探偵」が
誰であるかを疑心暗鬼に犯人側の視点から描いています。
登場人物も8人と極端に少なく、舞台も所謂一種の吹雪の山荘
のようなクローズド環境の中だけで展開され、この年代の作品
という事もあってか、個人的にはヒッチコックの映画や、
舞台などの状況を描きながら読んでいました。

病弱な資産家の夫を殺害し、奔放な自由を資産を手にしようと
もくろむ美人の妻。その夫を殺すと共に、夫が妻の計画を暴く為、
探偵を呼び寄せていた事が発覚。突然の来客は4人。その中に
その「探偵」がいるのだが、犯人である妻は誰が探偵か分からない為、
様々な方法で探偵を炙り出そうとするのだが...。

という粗筋ですが、この犯人である妻の余りに身勝手ぶりが
むしろ滑稽で、その身勝手さゆえ、ラストには因果応報という
言葉がしっくりと来ます(笑)。愚かな理由で犯罪に手を染めるものは、
その愚かさ故に自らの足元を救われるという事でしょうか?

モノクロで映像として見れたら、更に面白いかもしれないですね。

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by neon_books | 2012-02-11 00:59 | 海外作家

近藤 史恵 / 三つの名を持つ犬(徳間書店/単行本)

犬好き...な方にはきっと琴線に触れまくりな
切ないミステリに仕上がっています。勿論
自分もイヌ派(因みにイヌって響きだけで既に
可愛いw)なんですが、残念ながら生活を共に
した経験がないので...涙腺を揺さぶるまでには
至りませんでしたが、思わず一気読みでした。

愛犬って飼ってみないとその繋がり具合は
分からないんでしょうね。今作では残念な
事件や事故が起ってしまうのですが、その原因は
イヌな訳なんですが、それにプラスアルファで
主人公の「都」にとって、今、失ってはいけないものが
付いて廻る事で、事件や事故が妙に説得力を持ち、
イヌに対して愛着のない人でも、しっかりミステリと
して読める作品。「都」と妙な事で繋がってくる
ダメ人間寸前の青年「江口」との関係も、先に
壊れてしまう前提の関係が、また切なさを増幅させてくれます。
その哀しく、儚いテンションのまま、ラストには
少しの希望と光が見える着地が用意されてます。

しかし...以前から思うんですが近藤さんの書かれる
女性主人公って...。結構男性目線で素敵な人が多い様な
気がします。女性が好きな女性って感じじゃないんですよねーw。
...だから読み易い...のか?

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by neon_books | 2012-02-07 19:23 | 国内作家か~

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