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牧薩次 / 完全恋愛 (小学館/文庫)

辻真先さんの別名によるガチミステリ作品。
しかも09年の「本格ミステリ大賞」受賞作という
オマケ付の作品。
これもネタバレを伴う感想になるので
非常に書き難いっす。

孤高の画家の一生を描いた作品ですが
その中に3つの事件が起る。その画家
である「本庄究」の幼少期から晩年までを
追う形で様々な人物が彼の最初にして
最後の「恋」の相手「小仏朋音」の
姿を思わせる。彼の数奇で純愛に身を
捧げた人生と事件...。ミステリと恋愛パートが
上手く絡み合っています。

ミステリパートとしては少々...強引というか
うそーん!!..なトンデモ展開ですが全く腹も立たないw。
むしろそんな事にまで展開するのか!と
痛快な真相でニヤリ。
そして「恋愛」パートとしては、ラストの
昇華は見事過ぎます。タイトルの「完全恋愛」
に恥ない、真っ直ぐに正直な記述によって、
真相については予想した通りなのですが、
それでも読後の爽快感は大満足。
男の身勝手なファンタジー作品(褒めてますw)。

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by neon_books | 2013-02-09 07:41 | 国内作家ま~

井上敏樹 / 小説 仮面ライダーファイズ (講談社/キャラクター文庫)

テレビ版「555 」の脚本家自身によるノベライズ。
以前ノベルズで発売された「異形の花々」にその
五年後のエピソードを追加しての発売。
当然ながらテレビシリーズと設定が大きく事なり、
人間とオルフェノクの関係のみが抽出され、
より一層登場人物達の苦悩と闇と光との陰影が
明確に伝わってきますね。
スマートブレイン、流星塾など極力排除したのは正解。

かなりダークで描写も遠慮のないシーンなど
規制の少ないなかで作者が剥き出しにした
ファイズの世界観。スピンオフやテレビ版での
終盤の失速、未回収伏線をフォローする作品
ではないけれど、これはこれで面白い。

但し...文章の不安定さは...まぁ仕方ないのかしらねw。

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by neon_books | 2013-02-08 00:05 | 国内作家あ~

飴村行 / 爛れた闇の帝国 (角川書店/ハードカバー)

うっっ...救えないし、結構ダメージ食らうヤツでした。
他の方のレビューだと飴村作品という事で、今作だと
グロさが足りない...的なレビュー多いですが、どんだけ
飴村作品に慣れてしまってんだwと。
この作品も結構クルと思うんですけど...ね。

太平洋戦争時代と1989年頃を舞台に交互に
展開されるストーリー。片方は軍に対しての
失態を行ったとの事で、拷問を受ける兵士。
一方、不遇な環境で半分生き地獄のような
毎日を送る、ごく一般的な高校生。
終盤に一気にこの2つが交差していくと
思いがけない結末へと疾走するのは、流石というか
素晴らしい...と思います。ただし、どうしようもない
バッドエンドにただただ向かっていく。
もう、誰かやめてあげてっ!って思う程悲惨です。

一番まともな登場人物の「カミソリの水さん」の
扱いがまた...最高に切ないw。悪意あるよねw。

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by neon_books | 2013-02-07 00:56 | 国内作家あ~

曽根圭介 / 藁にもすがる獣たち (講談社/ハードカバー)

金の魔力に取り憑かれ、前後左右二進も三進も
行かなくなった3人のそれぞれのストーリー。
それぞれが別々に展開されていくのですが、
これが後半にどう繋がっていくのかが肝ですが、
想像を超えて、カチっとハマります。流石の
乱歩賞作家ですね。

サウナでアルバイトをする初老の元床屋の男は
客の忘れ物の大金に狂わされる。
夫のDVに悩み、FXで借金を抱え、その返済の為
風俗で働く主婦は夫の保険金に狂わされ。
兎に角金と女が頭の中を占めるクズ刑事は、
ヤクザへの返済する借金で狂っていく。
三者三様に目的は違えど、「金」によって
静かにその生活と人格がズレていく様は
他人事ではなく、怖いです。金と人間の
付合い方って難しいですよね。本当に...はぁw。

転落小説(そんなのあるのかな?)の王道路線で
以前に似た作品を読んだような既視感はあるものの
ラストまで惹き付けて読ませてくれます。
人物相関から自然と謎は解明されていくので
ミステリ的には少し弱いですが、出来は良いと思います!

そして、作者の曽根さん自身がサウナ従業員経験が
あるらしくて、ちょっとビックリw。その当時に
このプロット考えたのかなw?

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by neon_books | 2013-02-06 00:10 | 国内作家さ~

道尾秀介 / 笑うハーレキン (中央公論新社/ハードカバー)

ハートウォームな方の道尾作品。映画もヒットしたらしい
「カラスの親指」にも似た、訳ありな人間達の
疑似家族のような奇妙な繋がりの人間関係も描かれます。
ですが今作のメインとしては、人間の弱さ。何かの
所為に責任を押しつけ、自分から目を背け、
退くでも進むでもなく、現状維持に身を委ねる弱さ。
そして、そこから少しでも這い上がる(ろうとする)
事の困難さと、その道筋を描いた、光が差すような
暖かい作品。いいです。

会社を倒産させ、息子を失い、妻も出ていって
しまった家具職人「東口」。たった1台のトラック
に暮らし、ホームレスとなって細々と仕事を
こなす日々。ある日若い女性が、弟子にして欲しい
といきなり現れ、更に奇妙なホームレス暮らしを
していくのですが...東口には顔のない「貧乏神」
が取り憑いていたのだった...。

みたいなストーリーですが、緩急のある
ストーリー展開で飽きさせる事もなく、
全体にはユーモラスで軽快な作風ですが、
しっかりと要所は重くなりすぎずに、
今作のコアな部分は胸に残ります。
「カラスの~」「カササギ~」のファンなら
鉄板ですね。

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by neon_books | 2013-02-05 00:09 | 国内作家ま~

鯨統一郎 / ドラゴンリップ 刑事・竜めぐみの体当たり捜査 (双葉社/ノベルズ)

まさしくライトミステリ。ちょっと空いた時間に
ぴったりのサイズと...内容w。
倒叙形式ですがコロンボというよりは
女性刑事版の古畑任三郎という趣き。

主人公の女性刑事「竜めぐみ」は容姿端麗
にして酒飲み。かつ歳の割にはオッサン趣味。
設定自体もさほど目新しくは...ないw。彼女を
サポートする青年刑事のタイプも、また彼等の
上司の融通の利かなさ、ステレオタイプの愚鈍さ
...etc全てがベタw。(決して批評じゃないんです!)

数年前ならテレビ朝日の金曜深夜枠
(あの「匿名係長」の枠ね)でそのままドラマ化
されそうな設定。

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by neon_books | 2013-02-04 06:12 | 国内作家か~

伊坂幸太郎 / フィッシュストーリー (新潮社/ハードカバー)

何故か自分の中で伊坂熱が再燃し、数年ぶりに再読。
01年のデビュー短編を今読んでもさほどタッチや
トーンやテンポが変わっていない! やはり最初から
スゲーんだなぁ...とつくづく思います。
4編の短編ですが、どの作品も他の作品と登場人物が
すこしづつリンクしています。これは伊坂作品の
特徴でもあり、ファンの多い所以ですね。

自分としては後半2編がやはり秀逸。映画にもなった
「フィッシュストーリー」はこの頃の伊坂作品の
真骨頂ともいえます。このボリュームで時間も
人物もエピソードも飛び越えて、一つの形に
カチリとはまる手腕はピカイチ。さらには
「フィッシュストーリー」プレイしたそのバンド名すら
記載のないところが...抜群です。(映画ではしっかり
名前がありましたがw)自分にとってはメンバーと
岡崎の関係なんて涙なくしては読めません。
岡崎の気持ちは胸が苦しく、息が出来なくなる程に
伝わります。この世に多く存在するであろう
ロック漫画やロック小説の中でも一番抉られます。

ラストの「ポテチ」もまた素晴らしい。「重力ピエロ」
にも通じながらもっともっと...なんというか自然体な
だけに余計に油断した胸を優しく揺さぶられますね。
「泉水」もそっ...と登場しますし。

自分の中で何故か再燃した伊坂熱。数々の作品が
映像化され、人気作家になり、声を大にして
好きな作家と言うのが恥ずかしくなった時期を
今更ながら恥ずかしく思います。大好きです、やっぱり。

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by neon_books | 2013-02-03 08:08 | 国内作家あ~

西尾維新 / 囮物語 (講談社/講談社BOX)

萌キャラ(?)千石撫子主役のストーリーですが
キャラ...完全破壊しつくしたドSの巻。
再び「蛇」と相対する事になった撫子の
本質が最悪な形で露になり、作品全体を
使ってジワジワと少女が壊れていく様が
なんとも...痛々しい。

中学生女子ならではの悩み。それは
自我だったり人間関係だったり、恋愛
だったり...そういった事を基本的に避けて、
後回しに生きてきた彼女の反動が「怪異」
とともに最悪最凶となってしまう。
以前の伏線のあったラスボス発言は
ここにリンクしてるんですかね??

更にはこの投げっぱなしの様な
ラストシーン。ただのキャラ小説とは
やはり完全に次元違う...よね。
ゾクリとします。

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by neon_books | 2013-02-02 17:10 | 国内作家な~

黒田研二 / 嘘つきパズル 究極の名探偵★誕生 (白泉社/文庫)

やっと読めた!! ブクオフ行く度に探してたんですよね。
いやー、嬉しい。クロケンの隠れた名作との
声もある、脱力系なのに妙にカタルシスのある
ミステリ...でいいんだよねw。

孤島でのクローズドサークルに於いて起る怪異。
人間ではない生命体の襲撃、それによる
呪い、過去その孤島で起った事件、そして遺体と暗号。
さらには現在進行系で殺人事件も起る...という
とにかく普通に書いたら重厚感溢れる本格派の
ガジェットなのですが、基本ベースが下ネタ、
駄洒落、脱力コントをベースに展開されるという
アクロバット小説。

後半から一気に謎が収束に向かう展開は
まさに「究極の名探偵」としか言い様のない
反則技ですが、ベースがこの作品にする事で
むしろ騙されたように納得せざるを得ない。
読めて良かったー。

ちなみに登場人物のオカマ「ゼニーちゃん」は
まさに今作のイラストを手掛けた魔夜峰央先生の
描くオカマさんと100パー、イメージが合致します。
素晴らしい。

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by neon_books | 2013-02-01 22:28 | 国内作家か~

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