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似鳥鶏 / 戦力外捜査官 姫デカ・海月千波 (河出書房新社/単行本)

ここまでの似鳥さんの作品とは少し作風が
異なっており、作者風の警察小説...といった
趣きです。ただし、キャラ要素が強いので
警察小説ファンは見向きもしない...でしょうけど。

7年前に起った幼女殺人事件と現在起っている
連続放火事件が少しづつ接点を持つように書かれつつ
その真相に一見女子高生にしか見えないキャリア警部
「海月」と「設楽」のコンビ「戦力外」チームが
独自の捜査で迫っていく...。

装丁からは予想しなかった、作中には意外と重い
冤罪や誤認逮捕、警察機構の弊害...etcが作者独特の
タッチで書かれていて、事件の真相とともに
「戦力外」チームそのものの意図も明らかになり
ドジっ娘キャラの「海月」の警察キャリアとしての
立ち位置が明かされ、今度もシリーズ化の予感です。
だとすれば今作は各人物達のキャラ付けと紹介的な
意味合いが強かった...かなと。

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by neon_books | 2013-03-31 00:12 | 国内作家な~

田南透 / 翼をください (東京創元社/単行本)

ミステリフロンティアシリーズ。
これは...本気の作品なのかパロディ...というか
コメディなのか本当に迷ってしまうくらいに
色んな事を盛り込み過ぎてしまって...残念ながら
破綻してしまった感が強く残ってしまいます。

孤島...に近い環境下で起る殺人事件、女子大生に
付きまとうストーカー、男女間の感情の縺れ、
トランスジェンダー、血の繋がらない兄弟...連続殺人...。
かなりの要素が盛り込まれているんですが、その
一つ一つが薄いうえにある程度のミステリ作品を
読んできた読書には流石に、ご都合主義、偶然主義、
必然な動機、被害者の取っていた行動....様々な方面に
於いての説得力に欠けてしまっていて、結果作品全体の
印象が散らかってしまった...のではないでしょうか?

とは言え341Pを読むにあたって苦痛や投げ出したくなる
事はなかったのできっと読ませる何かを持っているんだと思います。
多分、次作も手に取る...ハズ。

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by neon_books | 2013-03-30 00:01 | 国内作家た~

至道流星 / 大日本サムライガール 2 (星海社/単行本)

前作からの続き...右翼として政治結社の総統をつとめ
国家改革を目録女子高生のお話。彼女が単身で乗り込んだ
ライバル事務所でおこなった器物破損、暴行未遂などの
罪で逮捕...から...の続き。
更には芸能事務所拡大に向け、2人目のアイドルの
オーディションを行い、合格したのは...「守銭奴」w。

という今作ですが、その守銭奴のキャラが実は単なる
普通に性根の優しい女の子...という少々残念な設定。
主人公の「日鞠」が振り切れたキャラなので、食い合いを
避けたのか...分かりませんが、今作をメインにするには
ちょっと物足りない気も...します。
所属事務所が意外な方向で企業拡大をする
ステップの為に必要だったエピソード...なのかもですね。

恐らく企業経済、マスコミ、メディア、広告プロモーション、
芸能、タレント、アイドル産業を政治に絡めた作品...という
全体図が少しづつ見え始めてきました。次作も読みますw。

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by neon_books | 2013-03-29 00:35 | 国内作家さ~

近藤史恵 / ホテル・ピーベリー (双葉社/単行本)

ハワイ島のこじんまりしたホテルが舞台なのに
どんよりかつヒンヤリした空気感が漂う。
中盤までは主人公の元小学校教師が
過去の不祥事により抜け殻のまま、日常から
逃避するように訪れたハワイでの煮え切らない
暮らし振りが描かれる。
そのホテル「ピーベリー」のオーナー夫婦の
和美と出会う事になる。

中盤以降に唐突に宿泊者の1人が事故死。
ここから肌に纏わり付いていた不穏な
空気が展開していく。訳ありのオーナー夫婦、
宿泊客、そして明らかになる主人公の不祥事...etc。
あぁ...やはりミステリ作品なんだなぁと。

終盤一気にホテルで起った事件、そして
和美の抱える闇が解明されるのですが
少々駆け足なのと、作中に登場する
「夏への扉」に準えたラストは
爽やかなんですが、果たしてこれが
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか
モヤモヤした感は残る...かも。
主人公の「淳平」...こいつのモラトリアムの様な
芯のない性格...に共感しがたいからかな?

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by neon_books | 2013-03-28 00:08 | 国内作家か~

入間人間 / トカゲの王 SDC 覚醒 1 (アスキー・メディアワークス/文庫)

入間氏が手掛ける異能者バトル小説。「電波女~」は
自分に合わず早々に断念したのですが、今作も
既にこの1巻だけでいいかな...と思ってしまった。
要するに...合わないw。というか...どこを面白く
読んでいいのか自分には、そのポイントが
分からなかったんスよね。

主人公のトカゲ君は中学3年。いたって普通に
イタい中学生男子だが、一点だけ人と違うのは
自分の意思によって「瞳の色を変えられる」。
本人曰くその能力者をSDC(ストーン・ドラゴン・
チルドレン)と命名するくらいに中学生。
その彼がガチの異能者や殺し屋と闘うストーリーです。

うん。なんかただそれだけなんですよね。
設定以上でも以下でもなく、ただそれだけ...という。
勿論入間氏独特の言い回しや、文章のタッチや
それなりのキャラ造型は自分には刷り込み済みなので
一応最後までは読めますが...。読んだだけで、特に
何も残らない。わざと悪意のある言い方をすれば
自分にとっては、「みーまー」以外のラノベ作品は
コミックの原作者としてしか評価できなくなってきてます。

そして「トカゲの王」は....やっぱり
ジム・モリソンですよね。

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by neon_books | 2013-03-27 13:17 | 国内作家あ~

結城充考 / 衛星を使い、私に (光文社/ハードカバー)

「プラ・バロック」など前2作の主人公である女性刑事
「クロハ」がそれ以前、自動車警邏隊所属時代の連作短編集。
前の作品を読んでから時間が経っている事、元々さほど
印象に残っていない主人公だったイメージでしたが
この短編スタイルと作者の文章は合っているような気がします。
アレ?こんなに読み易く、面白かっったっけ?という今作。
全6編の中でも表題作はタイトルのセンスとその中身が
絶妙にマッチしていて秀逸です。

現場に拘る警察官である事、更に自身が持ってしまっている
捜査能力と内に秘めた強く偏った意思によって、本来の
立ち位置を逸脱して様々な事件に関わっていく。注意深く
物事を見つめ直し、そこから疑問点を追求する捜査スタイルは
読んでいても好感が持てますが...今ひとつ内面の底が見えない分
主人公としての感情移入はしにくいキャラです。まぁ、そこが
いいのかもしれないですが。

正直前2作の長編の印象が薄かったのですが今作を読んだ後の
今後の新作には期待感が高まります。

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by neon_books | 2013-03-26 02:39 | 国内作家や~

椙本孝思 / バジリスク 寄生生物 (角川書店/文庫)

爽やかな青春小説だった昆虫部の作者がまさかの
虫ホラー作品を角川ホラー文庫から。
今回の虫はあくまで架空の虫で、人に寄生し
宿主の精神と人格を蝕み、人を喰らう。
そしてその「虫」を喰らうのが「トカゲ」。
虫と人とトカゲがそれぞれを求め対時する
ホラー作品。

今まで読んだ他の作品とは毛色は違えど
ラノベばりに読み易くあっ...という間に
終わってしまうため、恐怖感や嫌悪感も
感じることなくサクサク読んでしまいました。
全5話の短編連作ですが、どのストーリーにも
微妙なエロシーンが盛り込まれてますw。
人が虫やトカゲに寄生される手段が性交に近い行為
だからなんでしょうけど...w。
4話目の「徘徊老人」は別の意味でハラハラしましたw。

なんとなく予定調和っぽいラストも含めて
ある意味安定した作品で、少し時間の空いた時に
サラリと読むにはいいかもです(虫ホラーですけど)。

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by neon_books | 2013-03-25 08:02 | 国内作家さ~

西澤保彦 / 聯愁殺 (中央公論新社/文庫)

オリジナルは02年にミステリー・リーグとして
発売された作品。西澤さんといえばロジック
大好きなイメージですが、今作はきっと
その真骨頂でしょうね。

連続殺人事件の被害者となった主人公「梢絵」は
すんでのところで命が助かる。しかしその
犯人と目される人間はその後4年以上も消息不明。
梢絵は何故、自分が殺人犯に狙われる事になったのか...
その動機を解明すべく「恋謎会」なるミステリ知識人達
の集まりに参加をする...。という内容。

作品は11章から構成されていますが、
2~9章までが、胡散臭いミステリ好きに
よる推理大会。スクラップ&ビルドによる
クッチャクチャな推理大会。シリアスな
事件なのにギャグスレスレの展開です。

ラストにここまで展開されていた所謂
「解決編」が単純な解決編ではなく、実は
「問題編」としての役割がされていて、
今作の最重要の「何故?」という動機が
浮き彫りになった時点で、一気にストーリーは
様変わりし、戦慄のラストへと変貌を遂げます。
やはり作者の真骨頂的、ウルトラCの作品。

ちなみに登場人物が軒並み変名、珍名ですが
実は意味が大きくあります。推理合戦の中で
ある方がそれに触れていますよ...ね?

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by neon_books | 2013-03-24 00:02 | 国内作家な~

玖村まゆみ / 凸凹サバンナ(講談社/単行本)

乱歩賞受賞作家の受賞後の1作目は一風変わった
弁護士を主人公にした連作ミステリ。金がなく
お人好しが取り柄の弁護士「田中」の元に
舞い込んでくる相談を、彼持ち前の人柄で
解決していくのですが...。

前作に比べると人物造型もストーリー展開も
かなり魅力的にはなっているのですが、
まだ何かが足りないのか...いまいち主人公や
ストーリーそのものにのめり込む事が出来ない...。
キャラクタ的にはサブキャラの方がまだ興味深い。
ミステリとしても特に謎らしい提示も、それに
対する解決も、興味の湧くものでは残念ながら
自分には感じられず...。むー。
そもそもリーガルミステリではないし、かといって
人情モノとしては弱い。満遍なく無難という印象だけが
残ってしまいました。申し訳ないス。

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by neon_books | 2013-03-23 08:13 | 国内作家か~

森川智喜 / スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ (講談社/講談社BOX)

かなり特殊環境、設定のミステリ...といっていいんでしょうか?
文字通り「何でも知る」事の出来る鏡を使って探偵業を
営む中学生女子「襟音ママエ」。前半はその鏡の持つ力と
ママエのスーパー手抜きな探偵っぷりを描くパート。
正しい結果が100%分かっている前提で、依頼を聞くことから
始まり、後付けで結果に対する推理を説明するという
ミステリとしては...ド反則を堂々と展開していますw。

中盤からは鬼畜な外道探偵「三途川理」が参戦し、
鏡を使った思考バトルへと展開。ママエ側はその
助手である「グランピー・イングラム」という小人(!!)
とその兄弟による推理合戦。更には三途川による
読者の上をいく、何でもアリな鏡の使用法による
その破綻した性格がなんとも...素晴らしいw。
正しい悪役の姿です。

白雪姫をベースとしたファンタジーに、超卑怯な
ミステリを盛り込んでいる為、ミステリ視点から
したら、勇気のある作品のような気がします。
これがツマラないストーリーやキャラの作品
だったら、もの凄い駄作になるんでしょうが、
そのラインを軽く越えている怪作なんではないでしょうか?

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by neon_books | 2013-03-22 00:01 | 国内作家ま~

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