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古野 まほろ / 命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇’75(光文社/ハードカバー)

恐らく「天帝シリーズ」ファンからしたら微妙な
作品ではないでしょうか? 自分は相当前に1作目
だけしか読んでいないので、今作にはすんなりと
入っていけたクチですが...。
そして、いわゆる警察小説ファンが手に取りそうな
外見をカモフラージュしてますが、やはりまほろ作品
なんでしょうね。素晴らしい内容。素晴らしいミステリ。
今作も2011年度のベスト3に入りそうな程、面白いし、
熱くなる作品です。まさか涙を零しそうな瞬間が
何度もくるとは思ってなかった。

かつての思想闘争、革命の同士と袂を分つ形になった
「二条」のもとにその親友が自首をしてくる。しかも、
彼は彼の組織と敵対する組織の女性幹部を電車内で刺殺して!
その動機を巡ってかつての友同士は闘いながらも、
同じものを守り、そして結局は同じ敵に対して共闘するように
その事件の真相を紡いでいく。
まさに圧巻。そして傑作。

ミステリとしてのその真相へ迫る手順と、まさに警察小説
である物証への執着。その物証から導かれるロジカルな
物語の構築。積み重ねるようなその冷静な推理。
そして動機面におけるあまりにも切なく、
哀しく、男たちのラストの慟哭に近い切実な言葉に
グっとくる対比が素晴らしい。いや、ほんと傑作!!

古野 まほろ / 命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇’75(光文社/ハードカバー)_e0156857_220425.jpg




by neon_books | 2011-07-07 22:00 | 国内作家は~

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