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2013年 02月 17日 ( 1 )




真藤順丈 / 墓頭 (角川書店/ハードカバー)

「生まれながらに彼は墓だった」の一文から
はじまる作者渾身のエンターテイメント作。
イメージ的にはもの凄い筆圧で書かれたような
勢いと混沌とした力強さに溢れた作品。

胎封入奇形胎児として産まれた少年。
名を付けられる事も、出生届すら出す事を
許されずに土蔵で暮らす日々を強いられる
少年。彼の胎封入奇形胎児としての症例は
「頭部」に発祥し、彼の頭の中には
産まれなかった双子の遺体が入っている。
そんな名もなき彼の数奇...なんて言葉では
言い尽くせない人生を語った一代記。
年代設定が絶妙で1955年に誕生し、
混沌とした60年代、迷走する70年代、
狂気の80年代、そして世紀末90年代と
彼の歩む凄絶な行き方と時代背景が
素晴らしくマッチしています。

10代の頃に運命に導かれる様に過ごした
異能の子供達が集められた施設で出会う
少年少女達その存在によって彼自身の
「謎」を解決する為の人生が始まる。
そして、その少年少女達の運命も
彼...「墓頭」によって翻弄される。

もう...何人死ぬんだ...ってくらいに全編に
死と暴力と狂気が蔓延してます。ただ、
単なる救いない暗黒ストーリーではなく
光りが始終、ぼんやりと照らし続けるような
ストーリーになっていて、ラストのその光に
向かっていくカタストロフと浄化が...読み続けると
「ドクンっ!」と胸を打ちます。

もう一度言います。
「生まれながらに彼は墓だった」の一文から
はじまる作者渾身のエンターテイメント作。
ただし...万人向けではないかもですね。

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by neon_books | 2013-02-17 10:53 | 国内作家さ~

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