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カテゴリ:海外作家( 31 )




サイモン・カーニック / ノンストップ!(文藝春秋/文庫)

完璧な冒頭の掴み! この掴みがあったから
最後まで読める作品かも。正直言う程、全編に
渡ってノンストップなジェットコースター...的な
ハイスピード感か...というと微妙ではある。

いきなり巻き込まれる主人公「メロン」の視点と
その事件を含む大掛かりな事件を追う刑事「ボルト」
の視点が交差して進んでいくのですが、誰が敵で
誰が味方なのか? そして主人公が巻き込まれた真相。
主人公の妻が隠す真実。様々な事が霞がかった状態のまま
ストーリーを運び、読ませるのは上手いですね。
目が離せない展開でスピード感は充分。あの冒頭の
上手さで全体を引っ張っているのかもですね。

終盤刑事のボルト氏寄りに話が転調するあたりは
正直スピードダウンだし、そもそも、ボルトの置かれる
状況がよく理解出来ない。本当にイギリスの司法って
こんな感じなの?? という疑問があるが、
主人公ってもしかしたらこっちの刑事だったのか!?
と思えば納得w。

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by neon_books | 2010-11-23 11:05 | 海外作家

ヴィカス・スワラップ / ぼくと1ルピーの神様(ランダムハウス講談社/文庫)

弁護士の家庭に育った外交官作家の処女作。しかも
何の気なしに書き始めた作品とは全く信じられない凄さ。
自分は先に映画「スラムドッグ$ミリオネア」を見て
いたのですが、映画も面白かったし、この原作は
その上をいく面白さ。
こうして読むと映画はかなりアレンジしていた事
が分かり興味深い。
映画→原作の順番で読んで良かったなーと。

原作の方がより主人公の「ラム・ムハンマド・トーマス」
の数奇で過酷な人生と、彼の人間臭さと優しさが
直球的に描かれていて、より一層感情を持っていかれる。
インドが内包するカオスな情勢も、煽ることなく
割と淡々とリアルに書かれていて、主人公の生きてきた
道と行動に説得力を持たせています。

張られた伏線の回収も見事としか言い様の無いもので
特に11門目の章は鳥肌ザワザワでしたねー。名作。

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by neon_books | 2010-11-12 02:20 | 海外作家

ジャック・ケッチャム / 黒い夏(扶桑社/文庫)

自分にとってケッチャム作品はこれが2作目。
構えていたよりも鬼畜度は抑え目で、どちらかと
いうと人間の内面がジワジワと崩壊していく様を
かなり冷淡に根気強く描いた、ある意味陰湿な
作品のような気がします。

もともとイカれていた? 主人公の「レイ」のある夏の
殺人事件の冒頭から入る今作ですが、そもそも、
その「レイ」が人格破綻者に至る経緯も一切なく
どこの都市にも普通にこういったヤツは普通に
暮らしているんだぜ...的な描き方が恐い。

鬱屈して行き場のない若者の苛立ち。
その冒頭の事件の犯人である「レイ」にたどり着きながらも
決定的な証拠を挙げれずに放置させている刑事の
鬱屈。このネガティヴなオーラが暴発した時に再度
「レイ」は凄惨な事件を引き起こす。
その引き金が”シャロン・テート事件”という構成は
圧倒的な上手さ。褒められる話しではないんだがw。

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by neon_books | 2010-11-08 15:04 | 海外作家

ジャック・リッチー / カーデュラ探偵社(河出書房新社/文庫)

カーデュラシリーズを一冊に纏めた嬉しい文庫化。
更に追加でノンシリーズの5作、しかも新訳で追加
収録したリッチー初の文庫。

こうやって完全版で読む「カーデュラ」シリーズは
いいですねー。誰が読んでもその正体はルーマニア出身の
人間の血液を吸う、アノ方だと明らかなのに、基本的には
直接、その単語を使う事無く、冗談のような描写のみで
サラリと扱う独特のユーモア。更にはその伯爵自体が
人間社会で貧窮に屈してどんどんと落ちぶれて行く様は
なんともユーモラスかつ愛くるしいw。探偵としての
能力や操作方法は至って王道かつ人間臭いのもいいですね。

ノンシリーズの5作も、リッチーらしい「チョイ」キレの
ある短編でユーモアや哀愁やが滲む佳作。なによりシンプルで
短く、分かり易いのがいいっw。「いい殺し屋を雇うなら」の
バカバカしさと独特な展開は良質のコントのようです。

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by neon_books | 2010-09-28 03:45 | 海外作家

イアン・サンソム / 移動図書館貸出記録1 蔵書まるごと消失事件(東京創元社/文庫)

図書館、数々の本、ミステリ、そしてアイルランドが舞台! これだけで個人的な
好奇心は鷲掴みされ、読むことが義務付けられていた様な作品。
とは言え、海外もの...恐る恐るで捲った1ページ目...から既に面白い!!
なんだこりゃ? なんで苦手な海外ものがこんなに読み易いんだ??
珍しく一気読み。しかも個人的には鬱寸前の泥沼な精神状態からの
現実逃避の日々だっつーのに...。逃避の手段としての読書は間違ってるかも
ですが、本当に楽しく、イヤな気分も忘れ(かけた)た。

主人公のイスラエル・アームストロング君のギャグの様な悲運っぷりから
スタートした今作は、図書館丸々分の蔵書、1万5千冊が消失するという謎を
中心にアイルランドの片田舎の市民の交流とイスラエルくんの健闘っぷりを
あったかく描いています。
ラストの展開もベタでナニがアカンねん的な浪速節でほっこり大円団。
うーん。いいなー。

夏に刊行予定の第2弾がスゲー楽しみ!

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by neon_books | 2010-03-23 19:21 | 海外作家

アリス・キンバリー / ミステリ書店 1 幽霊探偵からのメッセージ(ランダムハウス講談社/文庫)

夫婦合作によるペンネーム「アリス・キンバリー」の
デビュー作。田舎のミステリ書店を舞台にした幽霊探偵と
書店オーナーの迷コンビによるシリーズもの...のようです。

自分にとっては常にハードルとなる登場人物の名前...
今回も苦戦したー。登場人物の名前を日本名に一瞬に
して変換する便利なものってないもんかしらw。

というハードルはあったものの読み易いのは読み易いし
ミステリ的にもライトでお茶飲みがてら没頭にするには
いい感じの作品。...という程度の感想しか書けない...。
幽霊探偵のジャックのキャラがもっと浮き彫りにされるのは
次作以降なのかな?

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by neon_books | 2010-02-20 20:27 | 海外作家

ジャック・リッチー / クライム・マシン(晶文社/ハードカバー)

前に読んだ「10ドルだって大金だ」が大変面白かったので
こちらも取り寄せちゃいました。
順番的にはこちらを先に読むとよかったのかな...?
ヘンリー・ターンバックル部長刑事シリーズ、私立探偵カーデュラは
こっちが先なのかしらね?でもやはり面白いっす!!

このシリーズ以外の短編も程よくブラックでシニカルで
小気味良いテンポで超シンプルな骨格が活きる作品ばかりで
思わずニヤリなユーモア満載。
表題作は分かっちゃいる筈の悪党が、まんまと騙される様は
ユーモアを通し越して哀愁さえ感じますねー。
ショート・ショートの様な作品も交えての全17編。
一気読みっっ!!

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by neon_books | 2010-01-29 20:37 | 海外作家

マイケル・ボンド / パンプルムース氏のおすすめ料理(東京創元社/文庫)

「くまのパディントン」の作者が大人向けに書いた
ミステリ風味のコメディシリーズ、パンプルムース氏
シリーズの第1作目。相棒犬ポムフリットと共に巻き込まれる
事件をドタバタの末解決...ってのがパターンなのかな?

この一人と一匹は共に警察のOBで、現在はグルメガイド
ブックの覆面調査員って設定は面白い。そして今作では
舞台となるホテルレストランで登場する料理の数々は
自分にとって見たことも聞いたこともない代物。食文化の
違いって大きいよねー。想像の範疇外なので、さほど
旨そうに見えないw。唯一旨そうだったのが超シンプルな
クロワッサンとオレンジジュースと珈琲の朝食。むー寂しい。

パ氏が命を狙われる事件の真相と解決は割合お粗末な
ものでミステリ要素はちょっとした副菜って感じですね。
相棒である愛犬のポムフリット君目線で語るパートは
宮部みゆきのパーフェクト・ブルー...を思わせる...かな?
いや、そうでもないかw。
基本的にはドタバタのコメディを楽しむような作品なのかもね。
あ、あとはキワドイお色気ネタもありw。この辺が
大人向けってところでしょうか?

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by neon_books | 2010-01-25 12:02 | 海外作家

ウィリアム・アイリッシュ / 幻の女(早川書房/文庫)

1942年作品!
海外ものを苦手としていたもう一つに理由に登場人物が
覚えられない...ってのがあるんですが、今作は12名+1名っていう
超シンプルな構成。ミステリ的には人物が少ないと必然的に
犯人が絞られるから難しいんでしょうが、古典作品には意外と
多いケースなのかしら?

で、その今から60年以上も前の作品ですが単純に面白い!
現在にトレースしたら通用するものなんかは微妙ですが、単純かつ
シンプルな構成でストーリーを展開させ、尚且つ惹き込ませるように
読ませる巧さ。見つけた手掛かりが直前でスルリと逃げていく
もどかしさとドキドキ感。いいっすねー。

早速「黒衣の花嫁」も読まな。

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by neon_books | 2010-01-19 11:26 | 海外作家

ジャック・ケッチャム / 閉店時間 ケッチャム中篇集(扶桑社/文庫)

うわぁっ...。スゴっ...。
スプラッタ系やグロ系のホラーって
結構耐性があるんですがこういった
追い込む系の、しかも嫌悪感にダイレクトに
訴えてくるような鬼畜っぷり。疲れた...。
一気読みできなかったなー。一話終わって、
このままやめよっかな...と思って本を置くんですが
また手に取ってページを捲ってるという...。
むー、救いある訳でもなくひたすら突き放され
「無」な感じなのに、なんでなんだろう。
人間って醜悪で複雑で悲しいのね。

いやーでも、想像していた作品と大きく違ってたなー。
「こんなん、思てたんと違ーう!!!」という笑い飯 西田
の名言が頭をかすめた(笑)。

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by neon_books | 2010-01-16 17:10 | 海外作家

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